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倚りかからず (ちくま文庫)

価格: ¥609
カテゴリ: 文庫
ブランド: 筑摩書房
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鋭利な鋭利な詩世界 ★★★★★
 詩集は、読む者の感性以前に体調と気分により出会いと感受が左右される。
 茨木のり子氏の『倚りかからず』は、読む者の精神の飢えの度合いにより感受のタイミングが左右されるのだろう。
 私は本詩集を、1926年から2006年を生きた知性が捉えた社会を観察する力、社会と自分の間合いを表現する方法が記されているものとして読んだ。
 「球を蹴る人-N・Hに-」は、片思いの空振りであろう。
 解説を書かれた山根基世(NHKアナウンサー)の筆が好ましい。詩集を「解説」する苦行・滑稽さを、難なく具体的な茨木のり子氏との出会いを語ることによりクリアしている。
素敵な詩集 ★★★★★
『笑う能力』はウズウズする小気味良さがあって素敵です。
ルンルン気分で暗記して、
通勤電車の中で思い出すようにしてます。
意味がわからない詩もありますが、
ひとつでも好きな詩がみつかると
全部の詩がキュートで凛としていることに気づきます。
「淡々と生きていけ!」(本文から) ★★★★★
研ぎ澄まされた言葉が、不思議な間合いで連なり、
まるで文章のように、音声のように
意味深く重く語りかけてきます。
今日の私に最も響いたものは、「木は旅が好き」
根を張り、栄えるどんな木も、その種はどこからか運ばれてきたと言う
当たり前のことに。
旅、旅ですね。

ユーモアとチャーミングと凛とした言葉 ★★★★★
この詩集の中で一番好きな詩は『ピカソのぎょろ目』です。
茨木さんが生前、バセドウ氏病だったことが書いてあり、
バセドウ氏病の私にとって親近感がわく詩でした。妙に納得してしまう仮説の詩。

美術史の専門家にピカソはバセドウ氏病だったんじゃないかと聞く
熱の入れっぷりにユーモアを感じて
同じ病気の私まで一緒に謎を解いて戦っているような気がして好きでした。

『倚りかからず 』に関しては是非、読んでみてください。
その力強い言葉と、その後の力の抜けようの落差が面白い詩だと思います。
そして、その言葉に感動します。

全体を通して思ったことは、チャーミングで素敵な方だと言うことです。
装丁も蝶が美しくてプレゼントにも喜ばれる一冊だと思います!おすすめです。
本棚に、ハードを1冊、置いておこう。 ★★★★★
『倚りかからず』というタイトルに吸い寄せられて、思わず手にとり、
パラパラめくったあと、コレだ!と確信してレジへ走った。

あれから数年が経ったが、この詩集を開くたび、「よし!」と決意する。
まっとうな魂を持って、この人生を生き抜くぞ!と思うのだ。

この1冊には、縮こまった心を柔らかく潤して、
すっくと立たせる力がある。

文庫で読むのもいいが、ハードを購入して大切に持っておくのもいい。
たぶん、人生道中、何度も開きたくなると思うから。