アルカンの楽譜
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シャルル=ヴァランタン・アルカンの楽譜がついに日本の出版社から登場した。
曲は「48のエスキス 作品63」である。
この曲集は技巧的に困難な難曲ではない。そのぶん音楽的な説得力がより重要視される曲でもある。それについては、アルカン擁護者として有名な森下唯氏による解説がなされており、
演奏する際には大いに助けになるだろう。
フランスの出版社から出ている楽譜は正直読みづらいので、今回の出版は本当に嬉しかった。
今後は「鉄道」「大ソナタ」「悲劇的な形式による3曲」「短調練習曲集」
なども出して欲しい。今回のような楽譜が出回れば、
アルカンの認知度も上がっていくだろうし、
アルカンファンもより積極的に演奏できるようになるだろう。
ちなみにこの曲の音源はスティーヴン・オズボーン(Steven Osborne)と、
ローラン・マルタン(Laurent Martin)による全曲録音があるが、
私はオズボーン盤を推薦する。