詩の一つ一つは短いが、その純粋で感受性豊かなひと言は時に泣きたくなるほどせつなく美しく、読む者の魂に直接訴えかけてくる。
“森へはいりこむと いまさらながら ものというものが みいんな そらをさし そらをさしてるのにおどろいた”“この明るさのなかへ ひとつの素朴な琴をおけば 秋の美しさに耐えかねて 琴はしずかに鳴りいだすだろう”“どこを 断ち切ってもうつくしくあればいいなあ”
素朴な言葉が静かに心に満ちてくる。