この本はタイトル通り手形・小切手法の入門書のようなものです。確かにこれ一冊で各種試験をのりきれるようなものではありません。しかし、本体価格がこの値段ということもあり、お金に余裕があれば１冊持っていても損はしない本だと思います。というのも、宮島先生は非常に難しいことをわかりやすく説明するのが得意な先生だと思います。難しいこと・抽象的なことを簡単に説明すること、それは簡単なことではなく、真に内容を理解・反芻していないとできないことです。その意味で、宮島先生の説明は信頼できるという意味で星５つを付けました。特に宮島先生は慶應大学の商法学の立場（「個人尊重」）を引き継いだような立場（倉澤先生の見解に賛成なされている箇所も多いと思われる）に立っておられ、その意味では通説的理解を批判する立場でもあります。そのぶん、他説の弱点や特徴を鋭く突かれており、特に学説理解に長けた先生だと思います。（とりわけ手形学説の説明はわかりやすいです）

　やさしいというより学説などをあまり長くならないようすっきりまとめた（しかもかなり）、という感じでしょうか。あまり細かいことなど気にせず、とりあえずざっと概観したいというのには向いているといえるでしょう。司法試験には短すぎて使えません（研究用としても使えません）が、学部試験などで考えを整理したいときには役立ちます。
　…まあ手にとって眺めてみれば分かるようなことですが…

やはり専門書は難しいです。
法律の基礎知識がある人が読むのにはいいでしょう。
ちょっと勉強してみるカーとか思った私のようなパンピーには難しいですね。

ページ数が少ないのが何よりの救い…