最高傑作!ヴォーカルはマルコム・ムーニー!
★★★★★
何とも形容しがたい、野蛮で生々しい、それでいてナイーブで奇妙な魅力に満ち溢れた作品です。
厳密に言えば、1stではありません。しかし、カンの代表作であると同時に、後世への影響度から察するに、最高傑作だと思います。
カンはもともと、豊かな音楽的素養があって、しかもロック・ミュージシャンではないメンバーによって構成されて点が、重要なポイントだと思いますね。これはグルグルやタンジェリン・ドリームについてもいえることです。最初のきっかけは、「とりあえず当時流行りのロック(特にザッパやジミヘン)で遊んでみた」、というスタンスですかね。
またカンのユニークさは、当時の英米ロックの受け売りにとどまらず、どんどん他ジャンルの音楽(アフロ、レゲエ、ガムラン、サルサ等)に越境し、吸収していく、ポジティブな姿勢(あそび心)にあるとも感じます。
カンというバンドが、いかにもあの時代の産物のように、時代やカルチャーの中に埋没せずに、後のパンクやニューウェーブ世代にも強い影響を与えてきたのは、彼らの強靭な技術力に裏打ちされた、学究的な創作姿勢とあそび心にあったと思います。
本作においては、後に彼らの専売特許となる、ホルガー・シューカイをメインとした、サウンド・エンジニアリングの妙技はまだ聴かれませんが、それを補ってあまりある、正反対のものが存在しています。
全体に混沌とした内容であり、何をやりたいのか、バンドの方向性とかはまだ未定であったように思われます。しかしマルコム・ムーニーやミカエル・カローリ(ギター&ヴァイオリン)を中心とした、凶暴なエネルギーの発散には、ジャンルを問わず、表現者としての根源的な凄まじいパワーを感じざるを得ません。この制御不可能な、野趣に富んだ感性の横溢は、後のアルバムには、ほとんどなくなっていってしまう彼らの特性です。
カンというバンドは、昔のバンドですが、決して時代遅れのサウンドではありません。今でも十分聴くに値する素晴らしいサウンドです。特に初期作品は、繰り返し聞かれるべき古典的名作の位置にあると思います。
なんとなく
★★★★☆
ダウナーでラフな感じが、日本の80年代のオルタナティブに似ている(すなわち元祖)ような気がするのは私だけか。以降続くのチャカポコサウンド満載の傑作。
かーーーっくいい!
★★★★★
カンはタゴマゴとフューチャーデイズだけ聴いて、後は先送りにしてました、が、馬鹿だった。先日発売されたアンソロジーで初期作品聴いてびびって買いました。
こんなにかっこいいもんだったとは
A面曲にはベルベッツの影響とかも感じる音もあったりするけど爆発力、推進力が半端ない。ほぼライブ録音らしい!荒々しい。フューチャーデイズの軽さはどこよ
けどやっぱりYooDooRight!この反復感こそ、ドイツの、クラウトロックの偉大な幕開け!ヤキはやっぱやばいね!
同時期のアモンデュールのセッションやタンジェリンドリームの一枚目、電子に目覚める前のクラフトワーク、を考えると、もはや時代はゲットバックセッションどころじゃない。ビートルズ大好きだけどね
ストゥージスに、キングクリムゾンに、クラウトロックに、60年代の終わりはもう60年代を見てない!PiLやPopGroupやTHIS HEAT、ノーウェーブあたりがもう見え始めてる
これも大傑作。すっげぇよ〜。
★★★★★
まず、ジャケ。即買い。ジャケどうり彼方からミシミシいう低音部(ゾクゾクくるぞ)。
かぶさる、イルミンのキーボードやミヒャエルのノイズギター。変電所かこれ。
ヴォーカルは熱にうかされよれている。メンバーリマスターの驚異的な音で蘇り家宝もの。
ちなみにハイブリット盤ですぞ。これ
通常CDプレイヤーでもリマスター音源が聞けますよ。SACDで聴いたらどんなだろう。
これからCANを初めて聴く人がうらやましい。すっげぇよ〜。
巨峰
★★★★★
ジャーマンロックの巨峰ながら、この1stはむしろヴェルヴェッツやNYパンクファンにこそ聴いていただきたい、しょっぱなからディストーションギター炸裂