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Montand D'Hier Et D'Aujourd'Hui

価格: ¥1,352
カテゴリ: CD
ブランド: Philips Import
Amazon.co.jpで確認
“時代の中で生きる”−シャンソン界の重鎮による最後のオリジナルアルバム− ★★★★★
 1981年。パリのオランピア劇場には海外からのマスメディアの取材が殺到した。
“世界の恋人”“手で唄う男”の異名を取るあの歌手がステージに復帰するとの噂は本当だった。その歌手の名は“イヴ・モンタン”。
 本作はそのコンサートに先立って録音され、国内盤としては『昨日,今日…』のタイトルが付けられ全編新曲で構成されている。
 個人的に好きな曲目は2曲目“青春の決算”8曲目“ピカルディのバラ”11曲目“セーヌの流れ”14曲目“吸がら”の4曲である。
 来日当時、イヴ・モンタンに単独インタビューしたのは筑紫哲也氏であり、その時モンタンの上着の胸元にはポーランドの自主労組“連帯”のピンバッチが着けられていたことを思い出す。
 フランス語はわからない私だが、なぜかこのアルバムに惹かれ店頭で購入してしまったのは、取材の中で“政治には関心はないが、私は時代の中でしか生きていることができないことも事実だ”との言葉に強い印象を憶えたからかもしれない。
 フランス大統領選挙では常に“候補”として名前が取り沙汰されていたこともあり、“政治には興味がない”といいつつも、当時のヨーロッパにはビロード革命の萌芽と西ドイツを中心とする“人間の鎖”による“核配備に対する抵抗”へのうねりがあり、モンタンはそうした時代の状況をつぶさに感じ取っていたことは間違いない。
 2曲目の“青春の決算”14曲目の“吸いがら”はそれを如実に物語っている。
 ジャケットの写真に見られるそうした自らの姿勢に対する一種の“照れ隠し”のような微笑みが印象的である。
創作意欲に年齢制限はない好例 ★★★★★
日本では歌手のイメージが強いが、ピアフに見出されたモンタンは本国では「歌手としても成功した名優」。
'52年の名作「恐怖の報酬」、フィルム・ノワールの真髄を見せた'78年の「真夜中の刑事」等を発表してきたが、
歌手としては、'68年のオランピア劇場でのライブ盤以来活動をしていなかった。

そのため、本国で'80年に発表された今作は、久々の新アルバムということで当時大いに話題になった。
音楽面では、名作曲家ミシェル・ルグラン作、人生の往来を歌う②が傑作。
また、弾圧への反抗を歌う⑥、'16年にイギリスで作られた有名なスタンダードナンバー⑨、
旧友との一瞬のすれ違いに少年時代の思い出を語る⑩、水質悪化の進むセーヌ川を眺める
子供との会話に社会批判をやんわりこめる⑫が秀逸。

また、1曲目を始め、朗読が随所にある。仏語にうとい自分だが、その語り口は歌を聞いているようであり、
見事なまでに「音楽」になっている。
当時58歳とは思えない選曲のセンス、衰えぬ歌唱力には脱帽するばかりだ。
今回CDを買って改めて聞いたが、良いものは変わらない。