このライヴでのラインアップはジャズ界における1927年のヤンキースとも言うべき強力な布陣。トランペットのクリフォード・ブラウンはマイルス・デイビスのクールに代わる、ホットなスタイルの象徴だった(バラード「Once in a While」を聴くだけでも入場料を払う価値あり)。ピアノのホレス・シルバーのドライブ感・疾走感あふれるサウンドは、ファンキーなハード・バップ美学の典型。アルト・サックスのルー・ドナルドソンとベースのカーリー・ラッセルはすでに数えきれないくらいの重要な作品に共に参加してきた。ここからハード・バップ史上最も偉大な3バンドが生まれていった。ブレイキーのジャズ・メッセンジャーズ、シルバーのクインテット、クリフォード・ブラウンとマックス・ローチのクインテットである。このアルバムのラインアップは短命に終わったが、その影響力は多大なものであった。バードランドでのこのライヴを全部聴きたい方は、『A Night at Birdland, Volume 2』も聴いてみるのをおすすめする。『Birdland, Volume 1』に匹敵する傑作だ。(Marc Greilsamer, Amazon.com)