人を探しています
年は はたち
背は 中くらい
うすももいろの膝小僧 鹿の瞳
ふくらんだ胸
ひとかかえのつつじ色の愛
陽だけをいっぱい入れた籠ひとつ頭に載せて
ある日 黙ったまま 家を出て行きました
誰かごらんになったことはありませんか
こんな世間知らずの ねんね
もしかしたら今頃は からっぽの籠に
白髪と悔恨を載せて
見知らぬ町 うすぐらい市場なんかを
さまよい歩き綿のように疲れはて眠っていたりするのでは
連絡おねがいします
宛先は
私書箱 追憶局 迷子保護所
懸賞金は
わたしの残った生涯 すべてを賭けます