待望のBBC音源集
★★★★★
待望のダスティのBBC音源集です。スプリングフィールズ時代の (1)〜(3) 、64年の2回の出演 (4)〜(9) 、65年の (10)〜(12) 、66年の2回の出演 (13)〜(19) 、70年の (20)〜(22) が収録されています。タイトル通り、これが現存するBBC音源のコンプリートのようです(63年ソロとしての初出演時の回は録音が残っていない模様)。全曲、ヴォーカルはもちろん、バックもすべて生演奏。いくつかの曲でMCが被さりますが、音質はモノながらバランスが良く、BBC音源集のなかでも優秀な部類です。BBC恒例のカヴァーでは、ボビー・ルイスの (5) 、スティーヴィー・ワンダーの (14) 、ディー・ディー・ワーウィックの (16) 、ラスカルズの (19) 、ジャッキー・ウィルソンの (22) など、モッズ好みのR&Bナンバーを披露しています。もちろんこれらの楽曲のスタジオ録音は残されていません(ビージーズの (20) はスタジオ録音の記録がありますが公式には未発表)。とにかくダスティのヴォーカルが素晴らしいの一言。ヒット曲 (6) (9) (18) などは大仰なストリングスがない分、ヴォーカルが際立っていますし、全体的にスタジオ・アルバムよりR&B色が濃く、彼女のソウルフルなヴォーカルが堪能できます。ブレイカウェイズのバックコーラス、バンドの演奏も素晴らしく、完璧主義のダスティらしい妥協のない姿勢がうかがえます。ダスティ・ファンのみならず、多くの人に聴いてもらいたい一枚です。
ファン向けの贈り物
★★★★☆
同時代の参加者には、同時代の物事の将来の価値なるものは推し量ることは不可能なのでしょうか。これは日本だけの現象ではないようです。英国のBBCでもそんなに状況は変わらないようです。scott walkerやcliff richardのBBCテレヴィショーはその映像は残っていません。といっても日本の放送局よりはましか。というのは、このような作品が可能だからです。この作品はBBCに残されたダスティのBBCへの出演がテープとして残っていたものをCD化したものです。彼女の有名なヒット曲はほとんど入っています。そして親切なことに、それぞれの曲に番組とその日時が正確にクレジットされています。時代区分から言うと62年から70までのようで途中の67、68、69年が抜けています。これは納得のいく空白です。もっともダスティ自身がアメリカに居住の拠点を移したのがその直接的な背景でしょうけど。私の好きなlosing youは1964年の10月11日とクレジットされています。(東京オリンピックの開会式の翌日!!!)。もうひとつは、you don't have to say you love meです。これはライヴです。