買い物に関する軽いエッセイ。アロマオイル、ホームベーカリー、パソコン、ゴミ出し用万能バサミ、電子レンジ、スーツケース、お雛様、茶こし一体型ポット、財布、他、のテーマ別の読みきり。著者は４０歳代後半の女性。だから、老眼鏡とか、人間ドックも出てくる。

この著者は、特に浪費家でもなく、むしろその逆だという。それでも、次々欲しいものが出てくるというのは、なんだかうなずける。

何箇所か、少し笑った。でも、正直、期待したほどは面白くなかったかな。

編集氏曰く、「岸本さんの買い物が失敗するほど面白いです。これからも失敗をお祈りいたします」とか。こっちもニンマリ頬がゆるみます。
品物を買う前は、ハズレを引かぬようにしっかり情報収集。なにせ無駄な買い物はしたくない。慎重です。
分析・長考しやっと購入。そして、実際に使ってみたときのギャップ ・・・ 心と身体の動きが鮮やかに、面白おかしく描写されます。

私もちょっと前にホームベーカリーを購入しましたが、
まるで買ったときの経験を代弁してくれているようでした。

通販でカートに入れたまま、数日熟考するときありますよね。
本当に買うべきなのかと。いいのかと自分に言い聞かせる。
そんな慎重派さんには、特に共感できる本です。

【お題】
アロマオイル、ホームベーカリー、パソコン、パソコン出張サービス、人間ドック、ゴミ出し万能バサミ、電子レンジ、インターネット、スーツケース、お雛様、茶こし一体型ポット、財布、吸盤フック、フードストッパー付きまな板、スパッツ、デニムレギンス、チップスメーカー、ハンドル付きぬか漬け容器、ホーローのやかん、ホットカーペット、醤油さし、ケーブルプラス電話、ギャベ、老眼鏡、あとがき

文章の最後には、それぞれの評価がイラストで描かれていて（「ガビーン」、「・・・。」、「グッ！」とか）、なんともシュールな良さがあります。

タイトルと説明どおり、著者のいろいろの買い物の顛末と結果の評価のエッセイです。
買ったものは、家電、衣類、日用品、パソコンから通信プランまで多岐にわたり、全24品。

30代の頃の著者のエッセイのユーモア感がたいへん好きだったのですが、
40代前半の健康志向を中心に書かれていた頃は、ちょっと鬼気迫る感じが怖くて遠ざかっていました。
（興味の無い人には）どうでもいいことにとことんこだわり、緻密な計画をする割には思い通りに物事が運ばない。
しかもそのこだわり方の独特さ加減というか、ハズシさ加減がなんともユーモラスで可愛らしい。
久々の岸本節復活を感じました。

本書刊行時点で連載は続いているそうですので、続刊を期待します。