漢詩の風景・世界を名吟・名解説で楽しむ
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世界最高の詩歌であると言われる漢詩をCDで聴いて楽しめる。
日本語朗読(石川忠久)、中国語朗読・吟詠(高翔ー)、唐代復元音朗読(平山久雄)というように幾通りもで聴いてじっくり味わえる。CD録音の詩は「春暁」「春望」「江南の春」 など22篇。これらを含め、本文掲載の漢詩説明は約80篇。どのように味わえばいいか、鑑賞法を示唆してくれている。
漢詩は一般に、とっつきにくいと言われるが、勘所をおさえている著者は、そのおもしろみ、深い味わいなどを分かり易く解き明かしている。「これが詩人のセンスです。朝になったのが気がつかない、ヌクヌクした眠り、実にうまい表現です」というように、話す調子で、平易に書くことを試みている。従来の参考書のスタイルを避けて、それをみなくだいて中に入れ込み、詩の心を汲むことを主眼にしているので、とっつきやすい漢詩入門書になっている。