大きすぎる友情だからこその悲劇が涙を誘う。
★★★★★
ジョン・スタインベックの小説の忠実な映画。
ゲイリー・シニーズとジョン・マルコヴィッチの名演が光る。
ジョージの語る自分たちの農場を持つという夢を
いつも楽しそうに聞く発達障害のある力持ちのレニー。
時には面倒がかかるレニーを突き放そうとするけれど、
純朴な心を持つ彼を見捨てられない心優しいジョージ。
時には喧嘩をしながら堅い友情に結ばれた二人の姿は、
とてもほほえましく、また羨ましくもある。
新たな農場にて二人の運命が大きく変わる。
農場にて親しくなった孤独な老人キャンディから
彼の貯金を用いて自分たちの農場を持とうという打診があり、
二人の夢が叶うあと一歩前まで辿り着いた。
そんな喜びに胸を躍らせた矢先、取り返しのつかない事件が発生。
最後に辿り着いた二人の旅路の果て。
いつものように楽しそうにジョージの夢を聞くレニー。
ジョージが下した堅固な友情ゆえの苦渋の決断・・・。
この悲しくてやるせない感情は何なのだろうか。
結末、自分がその場にいたらどうしていただろうか。
答えのない問題がある事を、改めて認識させられた作品だった。
辛く哀しいラストに涙が止まらまい
★★★★★
スタインベックの名作を忠実に映画化した作品。
ゲイリー・シーニーズ(フォレスト・ガンプ)とジョン・マルコヴィッチ共演。
世界恐慌の時代のカリフォルニア、出稼ぎ労働者のジョージとレニーの二人。
マルコビッチ演じる大男のレニーは、生まれつきの知能の発達障害者。気持ちは優しいのだが、行く先々で問題を起こすため、いつもジョージ(シーニーズ)は尻拭いをして、農場を渡り歩いている。
この二人の夢は、二人の農場をもつこと。その二人がやっと夢がかないそうになった時にレニーがまた大きな問題を起こしてしまう。
カリフォルニアの雄大な自然と情景が美しい。
マルコビッチの演技に魅了され、シーニーズも監督と製作と主演も兼ねて、素晴らしい秀作を作りだした。
ラストはせつなく哀しい。辛い選択をせざるを得なかったジョージにも、レニーの姿にも涙が止まらなかった。
〜約束された喜びの変わりの 嘆きと苦しみのほかは 我々に何も残らない〜
★★★★★
タイトルは地味でどんな映画?と最初は思いますが…
俳優さんの演技にただただ脱帽です。
主役二人を演じるのは、演技派代表のジョン・マルコヴィッチと、味のある役者ゲイリー・シ
ニーズ。ゲイリーは監督まで務めています。
キャスティングもながら、他のキャラクターの描き方、ラストの映像も秀逸で、悲劇、感動、
だけでは言い表せない、心に波紋を投げかける映画です。
障害者を演じるマルコヴィッチの演技が本当にすごい。
そして、いいようのない不安がめぐる後半、そして、ラストシーン。。このラストシーンがあ
るだけで、この映画は何倍も感動や味わい深さが増幅されています。
原作は著名なジョン・スタインベックの短編。
「二十日鼠と人間」というタイトルを調べてみたら、ロバート・バーンズという人が書いた詩の引用でした。
「二十日鼠と人間の 最良の企ても だんだんと狂ってゆき 約束された喜びの変わりの 嘆きと苦しみのほかは 我々に何も残らない」
この文学作品を、このように映像化したゲイリーに拍手を送りたいです。