チコ・ブーチキが脱退してから初めてのアルバムとなる本作。どうかすると泥臭いとも感じるほど強烈に個性を感じさせるメンバーだっただけに、彼が抜けたあとに、いったいどんな変化を見せるのかと思っていたのですが、答は一応「洗練」といっていいもののようです。もちろん、以前のアクの強い音を好まれる向きもあるでしょうが、私個人としては彼らの屋台骨の強さと、主要メンバーを欠きつつも、その逆境を｢洗練｣という形に昇華するしたたかさを評価したい。難産の末に産み出した音であろうことは本作を聴き込めば容易に理解できることだと思いますが、それを少なくとも表面上はまったく気取られないスタイリッシュさも素晴らしい。このアルバムはお勧めです。