内容は、湾岸戦争でアメリカ軍に部下や家族を殺されたイラク軍人マハムード・ワーディはテロリストとなりアメリカヘの復習を誓う。唯一生き延びた娘のキーファ・ワーディは、モロッコで世界を放浪する結城茂男と出会い日本へ。
キーファと結城は新幹線の乗っ取りを敢行する。その要求が、100万ドルとマハムード・ワーディ対パウエル米国務長官の全世界放映テレビ討論会‥‥。一方、乗っ取られた新幹線の車掌の高岡秀彦は、家庭内で頼り無い父親のレッテルを張られている。パニックで荒れ狂う乗客を前に、気の弱い高岡は持病の心臓も痛みだし、まるっきり逃げ腰に。現場指揮官となった警察庁警備局外事課長の都築は、いち早くマハムード・ワーディの娘のキーファに目をつけ、事件の先回りを試みる。
この前代未聞の新幹線乗っ取り事件はマハムード・ワーディが仕掛けた国際テロなのか、それともキーファあるいは結城茂男の単独事件なのか? そして、高岡は勇敢な父親になれるのか?
話自体は面白いと思う。各人物設定も詳細だし、メインである動機の背景もなかなか。なのに、いまいちパンチが利いていない。それは、ラストに期待していたのに肩すかしを食らわされたからだろう。