THE THREE SOUNDSの本領発揮の1枚〜甘くてムードミュージック的な雰囲気が春の朝を思わせます。
St・トーマスもありますが、他曲に注目!
ジャズファン以外も楽しめるのがTHE THREE SOUNDS…初心者にも馴染みやすいアルバムです!

本屋で立ち見したブルーノートジャケットカバー集のこのジャケットが印象的で忘れられなかった。３人組が腕を組んで街を歩く写真で、白黒モノ写真が鶯色でコラージュされている。うれしそうなヤングアフロアメリカントリオの表情が生き生きしていて好きな写真だ。所謂ジャケット買いって奴なんだけど、音のほうも予想以上の出来で、彼らの最高傑作だと思う。スリーサウンズというと、アルフレッドライオン婦人ルースがカバーを飾ったムーズが有名だが、こちらのほうがサウンドはシンプルで奥が深く、生きの良いスィング感溢れる演奏となっていて飽きが来ない。どうもスリーサウンズをジャズのＢＧＭと捉える人も多いが、本盤ではじっくりと仕込んだ味わい深い演奏がたっぷり聴ける趣向になっていて、決して金太郎飴アルバムになってはいない。バンゲルダーの低音重視の録音方法により、迫力ある生々しいベースの音が方チャンネルにミックスされている。アンドリューシンプキンス(b)が、リーダーのジーンハリスのピアノとフロントを分け合う。ウイリアムコディ(ds)の目立たないがつぼを押さえたプレイも腕達者ぶりを印象づける。地味な曲が多く聞きにくいと感じるかもしれないが、全曲見事にこのグループにピッタリのアレンジが施されていて、聴き応え充分だ。初心者の方はムーズの方が向いているが、通の方は是非この"Good Deal"をお聴き下さい。