図鑑というより多彩な姿を楽しむ写真集
★★★★★
大判のページのどこを開いても、綺麗な姿や、珍しいアングルでのショット、レイアウトが素敵なもの、とあきさせない。
いろんなハサミがありますよ、とクワガタなどのハサミだけが並べて映っている写真。いろんな親子、ということで成虫と幼虫が並べられているページ。ガやチョウは全然違う親子だけど、バッタは不完全変態だから親子がそっくりで微笑ましい。いろいろ、といっても種類だけでなく、ナミテントウやバッタで「こんなに一頭一頭違うんですよ」と並べてみせてくれるページもある。昆虫の「正面顔」は、魚の正面顔に劣らず味がある。
全部のページを紹介したいけれども、この本が良いのは「いろんな楽しみ方がありますよ」と教えてくれるところ。冬でも越冬している姿を探すことが出来る。ずーっと飼ってみるといろいろなことがわかります、という「ほぼ一生シリーズ」というページの、一生分のフンや最後に生んだ卵を並べた写真は一寸不思議な感動。
実寸の記載や、同じものが載っている他のページがわかるようにしてあるなどの気配りもちゃんとしてあって親切。図鑑としても見ることができるけれど、それよりもいろいろな姿を楽しむ写真集と言ったほうがよいだろう。
自然にはいろんな楽しみ方があります、と嬉しくなる写真集だった。「森の休日」というシリーズの一冊であるが、他のもみてみたくなる。「昆虫コレクション」なのにダンゴムシやクモもでてくるけれど、そんなの気にしない、気にしない。