多くの人々でごったがえすCDショップの中、この歌は人ごみを縫うようにして私の耳に届いた。魅力ある歌というのは、どんな音にも負けずにそこに存在するのだと改めて思った出来事である。
そして、そのどこか懐かしいようなメロディーに耳を傾け、それが中島美嘉の曲である事を知り、購入した。
じっくり聴くと、街角で耳にした魅力とまた違った魅力に気付く。その歌が四季のうつろいを美しく描いていること、誰もが持つ、『桜色の季節』の心情を見事に描いていること、そして中島美嘉の持つ声の温かさが見事にその世界観にマッチしていること。
今まで、中島美嘉には寂しく暗い歌が似合うのだと思っていた。でも、声の質に『温かみ』があるのだ。それを気付かせてくれた一曲。
また、こんな風に美しい日本語で歌を歌って欲しいなと思う。