見事の一言
★★★★★
フランスの大喜劇作家・モリエールの代表作。この作品が読み初めだったのですが、一気にファンになり、比較的入手しやすい作品は全て購入して読みました。そのぐらい面白かったです。400年前の作品ながら、現代人が読んでも違和感はほぼありません。非常な普遍性を持った作品です。
誠実に生きようともがくアルセストを見ていると、人間と、人間の世の中と言うものが、いかに正義や悪で割り切れない部分を多く持っているものなのか、いかに世界が道義ではなく、欲望で回っているものなのか、ということを改めて痛感させられます。若者もそうですが、詩人や作家、画家などの芸術家は、多かれ少なかれ皆アルセストではないかと思います。ドン・キホーテの性質にも近いものがある気がします。
この悲喜劇がまた、絶妙のバランスとセンスで仕上げられている。モリエールの劇作家としての手腕に感嘆せずにはいられません。
モリエールは順風満帆とは程遠い人生を送ってきた苦労人です。人生の裏も表も知り尽くした彼が描いた作品だと思うと、ここに表現された人間劇にまた一入の感慨を抱きます。
「人間というものをもっと知りたい!」と思っている方には絶対おすすめの一冊です。
うすっぺらな孤高だなwww
★☆☆☆☆
最悪 タダのかっこつけ カフェテリア哲学野郎
喜劇を馬鹿にしてんのか???
・・・と怒らせるのがモリエールの神髄真髄
フランス文学最強 アンドレ・マルロー万歳
喜劇かつ悲劇
★★★★☆
初めて読んだモリエールの本。この著者の代表作のようです。タイトルの『人間ぎらい』が表すように、人間の社交性に懐疑的・反抗的な主人公を風刺に近い形で描いています。主人公は人間はありのままにあるべきで虚礼やお世辞などで人間関係を保つのは蔑むべき事だとし、その主義を押し通そうとするのですが、至る所に齟齬や矛盾が生じ自身疎まれる結果になってしまう。その過程が丁寧に描かれている訳なのですが、単なる滑稽な風刺とはとれない真剣さがこの物語にはあります。第一主人公のやっていることは過激ではあっても、正論だと言えるでしょう。勿論そんなことをやっていれば私達は社会からたたき出されてしまいます。その社会の欺瞞性を暗に指摘した点で自然主義的な作品のようにも感じられました。主人公を除いた登場人物の殆どが裏表がある人間だということも注目しておきたいです。内容は喜劇的でも筋自体は悲劇的。解説の「悲劇にまで掘り下げた喜劇」という言葉がぴったりです。
けっこうお勧めです。モリエールの作品の構成の巧みさに驚かされると思います。
辛口な作品がお好きな方へ
★★★★☆
ヴォルテールなんかが好きな人には向いている本だと思います。
ウィットを大切にした作品なので文章だけでも楽しめます。
主人公があまり同情できるタイプの人間ではないにも関わらず読んでいるうちに彼の気持ちもわかってくる面白い本。
ラストがスマート。