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お見舞にきたぞうさん―お母さんが読んで聞かせるお話

価格: ¥2,650
カテゴリ: 大型本
ブランド: 暮しの手帖社
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うつくしい影絵の魅力 ★★★★★
タイトルの他12編の童話をおさめた影絵絵本。作者はあとがきで『‥お母さんがあまりに現実的になって、夢を失ってしまっていることが多いのではないだろうか。(中略)こどもに夢をという前にお母さんに夢をお父さんに夢をというのが、ぼくの切なる願いだ。‥』と記している。私は幼い頃テレビ番組で藤城清治の影絵を見ているからもう40年近くこの仕事を続けられている。2年前にもNHKの特集でいまだに新しいチャレンジをされていることも知った。80にもなろうというのに羨ましいバイタリティーだと思う。――――影絵なのでドローイングでは出すことのできない独特の世界が映し出されている。一つひとつナイフで切り出した厚紙にさえぎられた漆黒のくろが無論おおきな魅力だが、種々の透過材料を用いた柔らかな表現、材料を浮かしてピントを外したおぼろな表現等、長年培ったテクニックの多くを駆使してそれぞれの童話のもっとも印象に残る場面を文字どおり切り取っている。印象として外国のものがたりが適した素材と感じているけれど、一編だけの日本のおはなしもこれはこれで翻訳されたローカル性とでもいえるような美しい叙情が漂っている(ひとりよがりかな)。――――見開き単位でオールフルカラーなのでおとなが画集として楽しむのももちろんだし、藤城清治の望むようにタイトルの如くお母さんが読んで聞かせるのに最適。それどころか最適以上、つまりストーリーをはなれて夢やお話の会話が広がっていくような影絵なのですよ。むかしぼくらも憧れだった“外国”の夢や冒険をどうかいとおしく子供たちに伝えてみてください。同じシリーズで“ロンドン橋でひろった夢”“きん色の窓とピーター”もあります。お買い得ですお母さん