前作のデュオアルバムの後でリリースされたので、残り物かなと思われるかもしれませんが、とんでもない！前作は２００３年の録音ですが、こちらは９７から９８年の録音で、レイの歌声は力強く、男くさく、セクシーで絶頂期と感じられました。全体にＲ＆Ｂ、ゴスペル色が強いアルバムです。アレンジも今風のセンスの良さで、一緒にデュオをしている方々も、それぞれ個性的で大変に歌唱力のある方々で、全曲が一級品です。１曲目のＡll I want to doのＡngie Stoneのため息からこのアルバムに引き込まれてしまいました。Ｙou are my sunshineのＣhris Isaakは若々しいロカビリー（今ではほとんど死語ですね。私の年が分かってしまう）の軽さがあってこの曲に一風変わった躍動感を与えている。I will be thereでは後半にかけての盛り上がりが素晴らしく、二人の掛け合いは信頼と愛情があるからこそ実現したもので、私は嫉妬を感じてしまった。レイのなんと優しいこと！Touchはノリの良いカッコいいダンスナンバーでついつい踊りだしたくなる。次のShoutはゴスペルだけど、文句なくカッコいい！こういう曲を入れてくれるところが嬉しい。聞き終わって感じることは、彼は最晩年まで音楽界の最先端にいて、あらゆるものを吸収し、それが彼にとってとてもエキサイティングだったに違いなく、なんと素晴らしい人生だったかと思われるのです。彼の歌を聴いていると　そのパーソナリティーの豊かさに圧倒される。天性の音楽的才能と知と情を兼ね備えた稀有の人で　この人と同時代に自分がいることに　彼の音楽を聞くことができたことに感謝したい。

レイ・チャールズが亡くなってから一年以上が経ちますが、素晴らしいデュエットがまだこんなにあったなんて！！

「You Are My Sunshine」の奇抜なアレンジから、
「Big Bad Love」や「Shout」、「Conpared To What」などのパワフルな曲、
そして、「It All Goes By Fast」や「You Were There」、「Blame It Of The Sun」のようなラヴ・ソングなど、バラエティに富んでいます。
このアルバムは、レイが私達への最後の贈り物をプレゼントしたと思わずにはいられません。

これらの歌曲を耳に出来たことは大変嬉しいですが、
同時にこれがレイの歌声の聴き納めだと思うと残念でなりません。
でもレイが遺した数多くの歌曲は、これからも私達の中で生き続けていくでしょう。
I wanna thank you, Brother Ray!!!

昨年惜しくも世を去った音楽界の巨匠、レイ・チャールズのデュエット・アルバム第二弾。
第一弾『Ｇｅｎｉｕｓ　Ｌｏｖｅｓ　Ｃｏｍｐａｎｙ』は世界各国で記録的なヒットとなりましたが、今回の『Ｇｅｎｉｕｓ　＆　Ｆｒｉｅｎｄｓ』も充実した内容となってます。参加アーティストも前作同様豪華すぎるほどで、いかにレイ・チャールズが多くのアーティストに影響を与え、愛されているかがわかります。
私が最も気に入っているのは、今やアメリカを代表するアーティストとなったアリシア・キーズとのデュエットによる「ＡＭＥＲＩＣＡ　ＴＨＥ　ＢＥＡＵＴＩＦＵＬ」で、私がこれまで聴いてきたあらゆるデュエット曲の中でも最高の作品だと思います。
世界を愛し、世界から愛されたレイ・チャールズの音楽、大げさかも知れませんが、それは人類にとって永遠の財産です。私はそう感じました。