インターネットデパート - 取扱い商品数1000万点以上の通販サイト。送料無料商品も多数あります。

夢小説・闇への逃走 他一篇 (岩波文庫)

価格: ¥735
カテゴリ: 文庫
ブランド: 岩波書店
Amazon.co.jpで確認
繊細な心理描写がすばらしいです。 ★★★★☆
3話とも戯曲風に淡々と登場人物たちの会話がすすめられてゆくのですが、そこに隠された小さな兆候がもとでいつのまにか物語は破局をむかえてしまう、といった感じです。
「闇への逃走」のような悲劇は、「こんなことになる前にどうにかできなかったのか」とついつい憤りを感じてしまいますが、シュニッツラーの周到な心理描写がその結末の必然性を否応なしに認めさせます。
人間のやるせない不安や衝動を凝縮した小説だと思います。
キューブリックを惹きつけたもの ★★★★★
 キューブリックのアイズワイドシャットの原作ということで読んだ。同じ動機で本書を読む人は多いと思う。キューブリックの御威光としか言うほかは無い。

 読んでみて感心したのは キューブリックは実に忠実に原作をなぞっている点である。キューブリックが変更したのは舞台と時代だけで 後は ほとんど原作通りである。

 キューブリックだけが この原作であの映画は作れないとも感心した。誤解を避けるために言いますが この原作は相当の傑作であり 読んでいて 「人間の心の中の木立の深い森に迷い込んだ」という印象を強く受ける 大変彫りの深い短編である。キューブリックは これを現代に翻案するにあたり その基本線は全く崩していない。言い換えると 原作の時代であった第一次大戦前後の人間の心理が そのまま現代でも使えるという点に この原作の映画化の一つの理由があったのではないかとすら思ってしまう。夢魔的な映画であったが つまり 原作も映像を欠いていながら 十分に夢魔的な作品である。