New San Francisco
価格: ¥2,730
この約2年半ぶりの新作で、ズボンズは大きく変化した。ファンク・ロック的な音楽性はこれまでと同様だが、フリー・フォームな構成でインプロ主体の演奏という、いわゆるジャム・バンド的なスタイルになった。それに加えて、2日ですべて録り終えたという一発ライブ録音だから、刹那的なスリルや緊張感が終始張りつめている。各楽器の演奏も尋常でないほどにテンションが高く、聴き手を挑発するような濃厚なプレイばかりだ。さらにはダーティーな音質で現場の生々しい空気感を封じ込めたエンジニアの手腕も見事。70年代のマイルス・デイヴィスやフェラ・クティ、あるいは後期ジミ・ヘンドリックスなどを思わせる、クールでラジカルでエネルギッシュな作品だ。(小山 守)