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顔に降りかかる雨

価格: ¥1,680
カテゴリ: ハードカバー
ブランド: 講談社
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作者の意匠が全く見えない物足りない作品 ! ★☆☆☆☆
未だジュニア小説を書いていた頃の作品とは言え、乱歩賞受賞作とは思えない程の未熟な作品。捨てた夫に自殺された過去を持つミロをヒロインとした物語である。ミロが、友人でノンフィクション作家の耀子が愛人成瀬の金4700万円を盗んで失踪した、と成瀬自身から告げられる所から物語は始まる。その金は闇の金。成瀬はミロが耀子を匿っていると疑っているし、闇のボスは成瀬とミロ双方を疑っていると言う設定。自分の身を守るためと、耀子を巡る事件の真相を探るためのミロの行動を追うと言う形で物語は進行する。

まず、ミロの性格設定が支離滅裂である。当初、元夫を自殺に追い込んだ自責の念から殆ど鬱状態にあった筈なのに、闇のボスから脅迫され"命の危険"に晒されているのに平然として捜査を開始する"強い女"に変身する。この不自然さをカバーするかの様に、ミロの父親は暴力団関係の元探偵と言う設定。ご都合主義が過ぎる。そして時折、無闇に感傷的になる。その上、この危険な捜査中に容疑者の一人に恋情を持ったりするのだ。それなのに、自身を理知的で行動力を持った女と自覚(錯覚)している。これではヒロインに感情移入出来ないし、物語の求心性に欠ける。実際、物語にミステリ的謎は無く、ただ醜悪・奇矯な人間が次々と登場するだけで、サスペンス性は皆無。人物の書き込みも表面をなぞっただけで物足らない。犯人設定くらい、もう少し工夫を凝らしたらどうなのか ? 耀子は風俗ルポライターから硬派のルポライターに転進するつもりだった、との設定だが、霊能力占い師、変態ショーを登場させる等、本作の舞台設定が風俗ルポそのものとの印象を受ける。読者はその観衆の位置付けとの意図だろうか ?

本格ミステリでも無ければ、サスペンス小説でも無く、人間心理を深く抉った文学的味わいも無い。作者の意匠が全く見えない作品。
たいくつな展開 ★★☆☆☆
短編「虫卵の配列」が面白かったので、長編を読んでみることに。
人捜しをするお話ですが、「さしたる山場も無く淡々と続くストーリー」と別の方が書いているように、ページを進めど進めどさほど状況が進展しません。大きな展開があるのはクライマックスだけ。
400ページなんてとてもじゃないけどいらないでしょ。100ページぐらいにまとめれば面白いかも。
江戸川乱歩賞?がっかりです。
女にも熱い魂がある ★★★★★
OUTやファイアボールブルースを読んでも思ったが、硬質な素材を巧みに自分の味で料理し、それでいて卓上の読者になんら阿ることなく物語を構築していく力量に舌を巻く。それは読者を無視するというのとはまるで違う。筆者の内に潜んだ荒涼とした惑星に取り残されたような孤独はこの処女作にも見受けられる。というよりここから桐野夏生は始まったのだろう。孤独の描写は孤独の閾値を知らぬものには描けない。そこから静かに充溢する優しさは、悲しみの閾値を知らないものには決して描けない。
ヘナヘナした甘っちょろい作品を読んだ後で桐野夏生の作品群に触れると、彼女の切っ先の鋭さに襟を正される想いだ。強くおすすめする。
主人公が魅力的 ★★★★☆
 主人公ミロのセリフやモノローグにおもわずクスッと笑ってしまう部分が多くあり、怖い場面も多いこの作品の暗さを和らげている。桐野さんでなくてはこのストーリーをこんなふうには仕上げられないと思う。
 サスペンス劇場を見てるようだという人がいるが、そこがいいんじゃない!と言いたい。ただし、相当できのいい部類の・・・であるが。実際過去にドラマ化されているようだが、たぶん原作のこの感じ、表現できてるわけなさそうだから観たいとも思わないが。
このシリーズのファンになった ★★★★☆
このシリーズは読み進めるごとに面白くなっていく。

桐野さんは当たり外れの激しい作家だと思っているが、このシリーズは当たり!