楽しんだもの勝ち、ビートの洪水に血がたぎる
★★★★☆
コノノNo1はマワング・ミンギエディ率いるコンゴ出身の音楽集団。結成は40年以上前で、旧メンバーが戦争で離散し新たなメンバ
ーでグループを再結成させたりと長い活動歴を持つ。彼らの音楽は自動車のホイール等のジャンク品を組み立てたハンドメイドな
楽器で叩きだす強烈なビートが特徴。2000年代に入り公式としては初めてのアルバムをリリース。以降ビョーク等との共演も果た
したりと音楽界からの注目度が高まり、本作は5年振りのオリジナル。
彼らの音楽スタンスは基本的にデビュー時から変わらない為、前作を聴いた時の強烈なインパクトは流石に薄れたが、強烈なリズ
ムとビート、それに呪文のような謎めいた言語で叫び謡われる音楽の楽しさは健在。前作からの進化がない等と言う向きもあるかも
しれないが、こういう類の音楽はもう楽しんだもの勝ちでしょう。
確かに本作に収められている8曲に大きい相違はないが、様々な種類のパーカッションで延々と叩かれるビートはそれだけで血が騒
ぐ興奮度の高いものだし、それに乗せられるボーカルにはこちらもつられて口ずさみたくなる陽性のオーラがある。
彼らの音楽を聴いていると、理論とかテクニック等を超えた音楽の原始的な楽しさに出会える。テンションを上げたい時に聴きまくり
たい愛聴盤だ。