幸田露伴は修養を体現した人物だ。学歴はないが、文筆により文化勲章を受け、時の慶應義塾塾長、小泉信三をして「百年に一度の頭脳」と言わしめた。
その露伴の代表作『努力論』『修省論』『靄護精舎雑筆(あいごしょうじゃざっぴつ)』から学ぶ意義は大きい。
本書では自己実現を果たす物の見方・考え方、富を育てる方法といった自助精神のエッセンスが紹介されている。難読な露伴の原文も渡部氏の豊富な事例を引いた巧みな話術によって読みやすく仕上がっている。