浮遊感に包まれた白昼夢
★★★★★
フアナ・モリーナ仕事でも知る人ぞ知るアルゼンチン音響派の重要人物アレハンドロ・フラノフの傑作チルアウト作品。 内容そのものに幻想的なジャケットのアートワークもヤバイです。
アフリカ・ジンバブエの民族楽器「ムビラ(親指ピアノ)」、パラグアイのハープ「アルパ」そして「シタール」と3つの楽器をメインに用いた作品。時折入る歌未満の女性/男性ボーカルのスキャットもひとつの楽器として溶け込んでいます。
涼しげで無国籍な魔法の国の音楽。それでもどこか東南アジアやバリの情景を喚起させるスペイシーで浮遊感に包まれた白昼夢。スピリチュアル度高しですが、高揚感ではなく落ち着きをもたらしてくれます。
ビートレスで民族楽器と最低限のエレクトロニックを融合させてベタなワールド/民族ものになりきらないあたりが流石。妖精を追いかけて森に迷い込んでしまったらこんな音楽になるのでしょうかね。好き嫌いは分かれそうですが、個人的には飽きずにけっこー聴いてます。