ヨーロッパで大ヒット! ドラマチックなナンバーの数々!
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どういうわけかフランスの話を、2003年にドイツでミュージカル化。ロッテルダムで初演。オーストリア製の太鼓の底の抜けたようなあれやそれやこれより、ずっと本格的な、正当派の作品。曲調は、常に上へ上へと移調し、ソロ、デュエット、トリオ、カルテット、そしてユニゾン、ハーモニーへと盛り上がり続ける。作ったのは、ボラント兄弟。あのオーストリアのスーパースター、ファルコに曲を提供していた連中だ。
ウーヴェ・クレーガー演じる悪役リシュリュー枢機卿が、なにしろエグい。枢機卿だから、真っ赤だ。とはいえ、どう見てもピラピラがいっぱい付いて、僧服になんか見えない。そのうえ、こいつ、ベラベラと、やたらいいわけがましい。この権力欲に狂った枢機卿の陰謀を食い止めるべく、三銃士が力を合わせ、問答無用で闘いを挑む。宮廷の女性たちも華やかだが、この色っぽい男たちの正面対決を前にしては影が薄い。
とにかく、高揚感溢れる一枚。できれば、舞台も生で!