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世界史の中の石見銀山(祥伝社新書202) (祥伝社新書 202)

価格: ¥798
カテゴリ: 新書
ブランド: 祥伝社
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期待外れ ★☆☆☆☆
著者の入念な調査、文献への照会など、日本とそれを取り巻く諸国との関係が事細かに著られていて、「世界史」の観点からはとても良く書かれていると感じました。
しかしそれと石見銀山との関係がどうしても希薄で、読み終えても、「タイトルとの関係は?」と思わざるを得ませんでした。

私の読み込む能力の問題でもあることは承知の上ではありますが、もっとタイトルにある、石見銀山を前面に出した内容を期待していたので残念です。
世界史の中の石見銀山を読んで〜 ★★★★★
 かつて日本は銅に始まり鉄・金そして銀といずれも世界有数の産出国であった。その中でも島根県は、出雲荒神谷遺跡(銅剣・矛)同加茂岩倉遺跡(銅鐸)、それに続く砂鉄(タタラ)で有名だが、それに石見の国の銀が加わったのである。

その石見銀山がユネスコの世界遺産(文化遺産 2007.07))への正式登録が決まり、日本中が(喜ぶと言うよりむしろ)驚いたことは記憶に新しい。選ばれた理由として、環境保全(森林資源)が特に評価されている」というのだが、それでは根拠が稀薄すぎる。

 著者は──あくまで仮説だと断りながらも──膨大な資料を駆使し、世界史的な視点において、大きく、
 
1.当時明朝への朝貢貿易に名を借りた「勘合船」の活動
2.同銀山の開発と精錬にかかわった豪商たち、そしての存在、
3.西欧列強に呉して活躍した御朱印船を含む貿易船の活躍
3.そして短かったが当時の日本と非常に深かったポルトガルとの関係

 の3つを挙げる。すなわち「世界史の一面を飾る、大航海時代における日本の銀の役割、そしてその中での石見銀山という存在と比重」を考えなければならないと指摘している。

詳しく紹介できないのは遺憾だが、読み物としても愉しい同著の必読をお奨めする。
そおかぁ・・? 読ませるんだけどね。 ★★★☆☆
よく見ると私のレビューはいつも、は★1つか、4か5のどちらかが多い。自分の極端な性格を表しているようだ(笑
しかしこの本には★3つつけた。中間の評価だ。その理由をこれから述べる。

まず石見銀山に関する本は少ないように思う。ましてや新書で石見銀山を語った本となると寡聞にして聞かない。そういう意味で待望の本と言っていい。

著者豊田は本書において、石見銀山の繁栄をスペインによるポルトガル併合と結び付ける、新たな視点を提示する。
これが★2つ減らした理由なのだ。豊田はポルトガル・スペイン国家連合をポルトガルの亡国ととらえ、「国を喪ったポルトガル人の悲劇」として描くのだが、史実はどうだったのか? 大航海時代の両国の合同は、両国の主に経済界の要請。つまりお互いの勢力圏への相互進出の利益という理由で、両国民から歓迎されたものではなかったか。
豊田の視点は、いささか強引すぎるというものだろう。

しかしながら、その強引さを認めたうえで・・・、この本はなかなか読ませるのだ。
豊田はもともと作家だ。その作家の才能が、ポルトガル亡国の悲劇という「フィクション」を読ませる物語にしている。これが★3つの理由だ。

豊田の説には賛成できない。しかしこの歴史フィクションはなかなか読ませてくれる。これで★3つとした。
ポルトガル人のディアスポラという視点が秀逸 ★★★★☆
ネタ晴らしをしてしまうと、本書の最大のポイントは16世紀後半のスペインによる隣国ポルトガルの併合とディアスポラ(離散民)となったポルトガル人の存在だ。石見銀山が世界の銀の流通の六割を担ったことがあるとか、Iwamiが日本の銀の代名詞であったなどはよく知られているが、大久保長安(これももう一つのネタ)によって導入された最新鋭の銀の精錬法がこうしたポルトガル人との共同作業であったという仮説は大変に面白い。