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がんの生物学

価格: ¥12,600
カテゴリ: 大型本
ブランド: 南江堂
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がん研究の流れが分かる+研究の進み方が分かる ★★★★★
大学で「がん」についての講義で指定されていたので買ってみました。

まず、全編にわたって統一された翻訳者が翻訳を担当されているので(章ごとに多大学の人が担当…ではない)訳がブレてなく非常に読みやすい日本語です。これだけ大部の教科書なのに、読み進めていく際のストレスはほとんど感じません。原著も神著なのでしょうが、ワインバーグさんの思いを充分に汲んだ素晴らしい訳だと思います。

さて、がん研究の進歩は生命の神秘の奥深くを少しずつ明らかにすることと同義である、と講義で某教授が言っていましたが、細胞周期・細胞内シグナルの変化など正常細胞が持っているシステムが少しずつ破たんして起きる「がん」について研究することは、これらのシステムを研究することなのだということが良く分かります。

本書はがん研究を一歩ずつ研究によって進む様子を感じさせてくれます。生命研究の深淵部なので、各段階で細かい分子の名前がたくさん出てきます。日本語の教科書なら、これらが何の必然性があるのか全く書かれていないのに突如出現してパニックになります。初心者に読める代物ではありません。しかし、本書なら「何故その分子がここで記述される必要があるのか?」についても納得しながら読み進められます。研究とは論理的なものであることが良く分かります。

「なるほど!」と思わず膝を叩いてしまいたくなる時もあり、ミステリー好きにはたまりません。予備知識はそんなに必要ないので、大学教養レベルの分子生物学をかじっていれば文系の方でも読めると思います。こんな名著が日本語で読めることをもっと多くの方に知ってほしいですね。

絶対に値段以上の価値はあります。自分の蔵書としてじっくり読むことをおススメします!
癌細胞について手っ取り早く知りたい方へ ★★★★★
本書の特徴はなんと言っても一人の著者によって書かれたということであろう。癌の生物学を書くにあったっては、研究者の専門分野によって、どの項目に重心をおくか偏りがあり、幅広い領域をまんべんなく記載することは困難である。この本が、一人の著者によって書かれたにもかかわらず、最新の癌に関する殆どすべての領域をカバーできているのは、著者が常に世界のがん研究の中心に位置するテーマで研究を進めて来たこととともに、幅広い研究者同士の交流を通じて、レベルの高い生のデータを掲載することに成功したことが大きな要因と思われる。一人の著者によるため、始めから最後まで一貫した語り口で大変分かりやすく、途中で忘れてしまったり分からなくなった時、どのページを探したらよいのかも、大変親切に示されている。そして、日本語に翻訳されたお二方が、著者の意図を完全に読み取っておられることも、この本の読みやすさにつながっている。これほど読みやすい本は、この領域では類を見ず、研究者より臨床医、もしくは文系出身の人にも理解できそうな本である。改訂版が楽しみである。