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奇跡の丘 ニューマスター版[DVD]

価格: ¥3,990
カテゴリ: DVD
ブランド: エスピーオー
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無機質と荒涼 ★★★★★
 名高い本作を漸く見る機会を得た。感想は二点である。


 第一点。欧米のディベート文化が良く理解できた。本作を見て強く感じたが イエスの主張は基本的にディベートである。律法学者がああいえば キリストがこう答えるという場面が非常に印象に残った。日本語で「ああいえばこういう」という言い方は基本的には否定的だ。しかし ここで見られるディベートは本当に真剣勝負である。また そのディベートを通じて布教が行われたことも理解出来た。欧米での「言葉の強さ」には このような歴史を背景にして考えるべきではなかろうか。日本人のディベート下手を考えるに際しても「ああいえばこういう」であるとか「口先だけ」というような 言葉への一種の不信感があり それに基づく弱さが主因なのかもしれない。


 第二点。実に 簡潔な映画である。主人公のイエスも ごく一部の場面を除くと にこりともせず ある意味で無機質な人間として描かれている。その「とっつきにくさ」が ある種のリアリティを与えている。南イタリアで撮影したというが そのロケ地の荒涼とした有様も忘れ難い。キリスト教という 当時の新興宗教が産まれた地合いとして 無機質で荒涼としたイメージは強い説得力を発揮している。


 早速 原作である聖書に戻り マタイ伝を読み返しているところだ。
JP2 ★★★★★
ヨハネパウロ二世の推薦する映画第二位の映画。カトリック信者ならこれ以上の信頼できる評価は無いでしょう。

1位「シンドラーのリスト」(93)
2位「奇跡の丘」(64)
3位「ライフ・イズ・ビューティフル」(97)
4位「モダン・タイムス」(36)

5位「ナザレのイエス」(77)
6位「ベン・ハー」(59)
7位「わが命つきるとも」(66)
8位「2001年宇宙の旅」(68)
9位「8 1/2」(63)
10位「山猫」(63)
伝説の作品・・・ ★★★☆☆
伝説的な評価を受けてきた映画作品をようやく観られた。
30年越しである。

「イエスの顔が初めて映像で登場した作品」(?)などと言われて、長らく観られないことに悔しい思いをしてきたのだった。なるほど、『ベン・ハー』でもイエスの顔は出てこなかったなあなどと思いを深めていたのだが、これは所謂傑作映画なのだろうか?

パゾリーニ作品には『デカメロン』『カンタベリー物語』など、贅肉を削ぎ落とした見事な映画作品があるが、本作はモーツァルトの臓腑を抉るような『アダージョとフーガ』、バッハの厳粛な『マタイ受難曲』終曲と簡潔シンプルな映像とのコラボが見事とは言え、イエスの“顔出し”ありきの話題先行映画ではなかったのか?

ユダの裏切りやペテロの否認にしても、簡潔ではあるがもう少し描きようはなかったのかと勝手な注文を出したくなる。
パゾリーニの母が演じたらしい老いたる聖母マリアが、十字架の前で慟哭するシーンには確かに感銘を受ける。演技もスゴイとは思うが、それ以上に物凄いのはバックに流れるモーツァルトの音楽ではないか。サタジット・レイの傑作『大地の歌』を思い出す。レイはこのシーンを意識していたのかもしれない。

評者は本作を「駄作・凡作」と言いたいのではない。しかし、大傑作との伝説には違和感を持つし、そういうものであるよりは、素朴なイエス像のひとつと言うべきところではないかと思うのだが、どうだろうか? 力強い映像だ。それはマタイ伝の力でもあろう。解釈などと言うものを排しているところから、この力強さは出てくるのだろう。

個人的には、田川建三の『イエスという男』の映像化を望みたい。こちらは史的イエスの伝記ということになろうか? こっちには解釈が必要だ。こってりとした? そちらのほうは安彦良和の漫画『イエス』が傑作だったと記憶する。ハリウッドのイエスものはほとんど観ていないので何も言えない(メル・ギブソンのものとか)。
人は無神論者として生きうるか ★★★★★
マタイ福音書をベースにキリストとその受難を、弱さを抱えた弟子たちの視点も交えながら追ってゆく。
そこにはキリストを死に追いやった愚かな大衆的心性への憎悪が滲みでており、黙示録へと繋がる。

信ずることも、愛することも、弱きがなしうるものではなく、強者のみがなしうることなのだと痛感する。
私は音楽に救いを求めた。そこに神の声を聴き取ろうとした。この映画にも「神の声」が横溢している。

この薄汚れた世の中を呪う者にとっては、殉教者として生きるよりほかに救われる途はないのだろう。
そして、ありのままの自分を認めてもらえる最後の砦として、「神という存在」は生きつづけるのだろう。
危うく洗礼を受けかけた ★★★★★
私はこの映画を観たあと、キリスト教徒になろうかとさえ思いました。もし人をキリスト教徒にしたい人がいたら、この映画をみせるのが一番効果的ではないでしょうか。
まあ結果的にはならなかったわけですが、それくらいの傑作だってことです。