湖が気になる
★★★☆☆
Jill Churchillの『It had to Be You』(2004年)の翻訳。
「グレイス&フェイヴァー」シリーズの第5弾である。しかし、前作が翻訳出版されたのは2007年。思い出したように次が出たものだ。
今回は、主人公の兄妹が老人養護ホームでアルバイト中に、余命数時間の老人が殺害されたというもの。さらに異臭のする湖で発見された射殺死体などもからみ、なかなか魅力的な物語となっている。
派手さとはないものの安定して読めるシリーズだ。結末部分にやや不満が残るが。
それにしても、湖が変。なぜ異臭がするのか。
楽しめたけど、☆の数に迷っちゃうのよね。
★★★☆☆
このシリーズが好きでずっと読んでいるせいか、そこそこ面白いと思ったんですよ。
でも、評価低めなんですね。
今回のお話、リリーとロバートのお仕事体験(?)に焦点を合わせて話が進行していくので、
いつものお屋敷の話を期待すると、ガッカリ度が大きいかもしれませんね。
それと、犯人について消化不良な印象が残るのも確か。
もっと犯人の狂気が伝わってくれば、じわっと怖いような話になりそうなのに惜しいな、って。
シリーズ読んでいる人にとっては、ブルースター兄妹の成長、町の人との関わり方、時代背景が
とても楽しめると思うので、☆3つにオマケの0.5点を追加したい気持ち!
ともあれ、MS09R2さんの>登場人物の伏線の回 という表現がしっくりくる一冊でしたね。
ファンですが不満足
★☆☆☆☆
シリーズ6作目の今回のはかなり期待はずれ。冒頭、ルーズベルト大統領の就任式の場面はワシントンでのオバマ大統領を祝う群集を彷彿とさせる盛り上がりがありましたが、出来がいいのはここまで。ハンサムな町の警察署長を中心に殺人事件の捜査が展開していきます。彼ってリリーに好意的じゃなかったけ?それなのになんだか冷たい態度だし、前回まで登場した魅力的な下宿人はほとんど出てこない。移動販売車で個別訪問するセールスマンというユニークな人物設定が少しはましなほうかな。なにより、殺人にいたった動機がはっきりしないままで終わってしまった。このての小説に緻密な謎解きは期待していないけれど、「何故、あの時そんなことしたのか?」という基本的な線はきちんと説明してほしい。「誰にも説明できない」ですませるのはどうかと思う。ゴーストライターがほとんど書いたのじゃないかと思うくらい今までのシリーズと雰囲気が違います。次作品で挽回してほしい。
パッケージに犬が描いてあるのに・・・・
★★★☆☆
今回残念ながら、犬(アガサ)は登場しません。
これだけでガッカリするでしょう?
話の内容は可もなく不可もなくですが、ブルースター兄妹が積極的に探偵活動を行うでもなし、
少し話の毛色が変わります。兄ロバートの性格付けが少しハッキリしますが、全体的なお話の進行は
抑えめ。ルーズベルトの大統領就任を受けての登場人物たちの感想や変化が、特色となる程度。
シリーズのファンでなければ買うべきではないし、ファンにとっても物足りない出来では?
第一巻からの悲壮さが影をひそめ、兄妹がすっかり逞しくなったのは解説の通り。
今回は新たな登場人物の伏線の回かもしれず、次回作を気長に待つのが良さそうです。