賢治の音感とオノマトペ
★★★★★
宮沢 賢治のその独特の魅力と不思議な世界を、オノマトペで解読してみせた謎解きの本。著者は賢治の音楽的センスからアプローチして、第3章で見事に解明している。巻末の「賢治オノマトペ索引」は、それだけ見ていても楽しいが、それらが賢治の卓越した音感とリズム感によるものだと言うことが、良く解るように整理されている。本書を読んでからもう1度賢治を読んでみると、賢治がその文章によって伝えたかった情景や状況がより鮮明になった。賢治に惹かれて何冊か読んだことのある人は多いと思う。そんな人に是非この本を読んでみることを薦めたい。