舞姫がこんなにも面白い
★★★★★
明治文学でも森鴎外や樋口一葉の作品は今日読まれません。
口語文じゃないのでイマイチ取っ付きにくいのです。
しかしこの舞姫の本は原文と並んで現代語訳の文がついて読みやすくなっています。
そればかりか当時のドイツの風俗や社会情勢も注訳としてついていまして
世紀末のドイツ&日本の資料本としても面白いです。
豊太郎の気概と優柔不断さ、エリスの儚げと気丈さと意外な身の上。
この二人の恋愛の陰に隠れた本人達も気付かない打算。
作者がこの小説を書いた心境もうかがえる中々突っ込んだ解釈も面白い。
是非手にとって読んでみてください。