まさに真正面からのクラシックギターDVDです。山下氏の指の運び
や表情などがとてもよくわかるように撮られています。

もしギターをされている方であれば、いとも簡単そうにしかも正確に
奏でている指が、単なる技術ではなく、ひとつひとつこまかい音の
調整のもとに豊かな表情を形成していることが、よく分かる映像は、
大変興味深いのではないでしょうか。お手本というより、もはや参
考資料として眺めているだけですが。。いろいろな曲が聴けるのも
嬉しいところです。

ただ、クラシックギターの演奏そのものに興味のない人があえて
DVDを絶賛するかという点では、その限りではないと、反感を買う
覚悟で付け加えておきます。

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たしか、かのベートーヴェンが
そんなふうに言ったとか･･･。

山下の多彩な音色、音量、技術を見聞きすれば、
その言葉がウソではないことが納得できる。

さすが、山下、さすが、ベートーヴェンと
いわざるをえない。

彼の若い頃の演奏を、荒削りだとか音が汚い
と酷評した一部の評論家、演奏家もいたが
このDVDで聴くアダージョのカンタービレな小曲集は
磨きこまれたクリスタルのように透明で美しい。

そして超絶技巧曲の数々はまさに
ギターで表現可能な極限の速さともいえるだろう。

パリコン優勝後、十代でアメリカでの
デヴューリサイタルを果たしたとき
一曲目の『魔笛』から観客総立ちで
ブラボーコールでホールが湧きかえった
という伝説がある。

その模様を当時の『現代ギター』で
アリス・アーツがレボートしていた。
伝説の悪魔のヴァイオリニスト・パガニーニの
異様な演奏スタイルというのは、
まさにギターと一体化して体をうごめかす
山下のようだったのではないだろうか、とアーツは言う。

幕間のロビーでは、興奮で上気しているギタリストたちや
ショックで椅子にうなだれるギタリストたちがいたという。
このDVDを見れば、さもありなん、してやったり日本男児
と誇らしげに思うだろう。

いまや三人の子持ちパパとなった山下だが･･･
30代はじめの心技体ともに充実した
まさに油の乗った最盛期の演奏が
かくも美しく、巧みな映像と音に残されたのは
奇跡といってもいいだろう。

これは世界中のギタリストにとって
「ひとつの宝」でもある。

私はクラシックギターと言えば村治佳織さん(メディアに出てくる)や福田さんなどを聞いて好きになりましたが、プロは上手くて当たり前なんて思ってましたが、この人は凄すぎる。プロの中のプロです!こんな奏者いたなんて驚きました。

このＤＶＤは、発売を知ってすぐに購入しました。なんといっても天才・山下和仁の生演奏が映像として見られるのですから。演奏している曲には「禁じられた遊び」や「アルハンブラ」も入っており（山下にはやさしすぎる？）、クラシックギター初心者にも十分に楽しめ、参考になるでしょう。山下といえば、なんといっても超人的な早弾き、超絶技巧です。「アロンソの結婚」はいったい誰がこのように弾けるのでしょうか。しかし、山下の真骨頂はテクニックだけではないと信じます。独特の演奏姿も決してパフォーマンスではないはずです。山下がギター１本であくまでも自分の心に正直に、自分の世界をつくろうとしている姿に、私は感動するのです。

１年ほど前、クラシックギターを習い始めた時に彼のことを知り購入しましたが、それはもう観ていて恐ろしいほどのショックを受けました。
エレキギターの早弾きなんかとは比べものにならない・・・というか、人間の指というのはこれほどまでに正確に左右バラバラの動きができるものなのかと思ったほどです。
実際は彼にしかできないことなのかもしれませんが、クラシックギター初心者の私にとってかなりインパクトのある映像ばかりでした。
かと思うと優雅で美しい音色を奏で、その一音一音の繊細な音は人を惹き付ける力を持っているかのようです。
このDVDを観れば、史上最年少で世界三大コンクールを制覇したことが納得できますね。