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建築の解体―一九六八年の建築情況

価格: ¥4,410
カテゴリ: 単行本
ブランド: 鹿島出版会
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【セブン-イレブンで24時間受取りOK・送料0円!】 著者/訳者名:磯崎新/著 出版社名:鹿島出版会 発行年月:1997年03月 関連キーワード:ケンチク ノ カイタイ センキユウヒヤクロクジユウハチネン ノ ケンチク ジヨウキヨウ けんちく の かいたい せんきゆうひやくろくじゆうはちねん の けんちく じようきよう、 カジマシユツパンカイ 0927 かじましゆつぱんかい 0927、 カジマシユツパンカイ 0927 かじましゆつぱんかい 0927 ハンス・ホライン-観念の触手で環境を捕獲するアーキグラム-建築を情報に還元するチャールス・ムーア-伝達メディアとしてのポップ建築セドリック・プライス-システムのなかに建築を消去するクリストファー・アレグザンダー-環境を生成する普遍言語を探るロバート・ヴェンチューリ-現代マニエリスムとしての混成品建築スーパースタジオ アーキズーム-概念建築による異議申し立て『建築の解体』症候群
現代にまで通じる 社会的「建築」像の実験群 ★★★★★
読み進めると「曖昧性」という言葉や「無名性」という言葉がちらちらと出て来て印象に残る。

これらの言葉が出て来る部分は1960年代の建築家が考えたことがポストモダンを超えて、現在でも引き続いていることを実感させる。「建築の解体」の中でも最後の方にアイゼンマンやグレイウ゛スといったポストモダン期に活躍する建築家の名前や思考が出て来るが、本書は近代建築からポストモダンへの移行期として読むよりもテキスト中心のポストモダンによって断絶した現代の端緒として読むのが適しているように思える。

技術的にも戦時中に開発されたインターネットや大きな進化を遂げたコンピュータが知識人の間では身近な存在として現れ始め、チョムスキーの生成文法が発表されたり、C言語のようなコンピュータへ対応したプログラミング言語が生まれたり、サイバネティクスが学問として大きく成長し現在のwebアプリケーションの基礎部分が生まれ、環境問題が大きく告発されたりと現代を取り巻く物事の創世期となっている。

そのような時代背景の中でイギリスの労働者階級から現れたアーキグラムが象徴的なように、建築は古典・近代・戦後を超えて本当に社会的な存在へと大きく近づいた。社会という不確定な要素を取り込んでいくことで建築の存在は曖昧になり、匿名性を帯びて、時間のなかを漂っていく。建築が「他者」とどのような態度で付き合うべきかの様々な実験が本書の中には詰め込まれている。そして、その時の失敗や限界も含めて
ソフトウェア技術者がまなぶもの ★★★★★
ソフトウェア技術者は、建築家に学ぶか、言語学者に学んできた。
もちろん、数学者の方々でソフトウェアを書く方々には不要かもしれない。

しかし、意味のあるもの、役に立つものを造ろうとすると、建築家の歩んだところは、参考になることが多い。

今尚建築中のスペインの教会も、教会としても、観光地としても利用できているので、無意味なものではない。
ここでいう解体も、構築のためのひとつの手段だと考えてはいけないだろうか。
遊戯としての「建築の解体」 ★★★☆☆
本書は学生の頭脳を柔軟にしたり、あるいは名前を売りたい若手建築家が新しい理論を形成するという目的に対しては役割を果たしうるが、実際に建築を建てる段階となるとほとんど無効である。
なぜか。

本書は1968年をめぐる建築運動のドキュメンテーションであるが、記述された時代と記述した時代が同時代であるが故、ひょっとしたら意図的なのかもしれぬが、当時の社会的コンテクストがほぼ完全に抜け落ちている。
もし建築が単純に理論の還元から成立しうるのであれば、ここに掲載されたアンビルト建築は実現していたであろう。
しかし実際、建築は社会的コンテクストの中で社会的に存在するものなのであり、理論と言う完結した原則の中で成立するものではない。
磯崎氏が奇妙にも見落としたスミッソン夫妻の活躍があってアーキグラムが出現できたのであるが、そもそもスミッソン夫妻が批判したのは「理論の押し付け」という近代建築のパラダイムであった。
確かに建築理論は社会というノイズがないために完結度が高く我々の眼を喜ばせてくれるのであるが、実際はそうではないのである。
むしろ客観的に建築を組み立てるのであれば理論のほうがノイズなのである。
スミッソンズが反抗したのはそういうことだったはずだ。

本書に掲載された「建築」は「解体された建築」なのであって、近代建築のようにもはや「建築」ではないのである。
ここに記述された建築がフィクションであるように、本書自身もまたフィクションに留まるのである。
そして本書が書かれた時代の日本を知らずして本書に歓喜することはフィクションを作り上げ続ける磯崎氏の術中にかかっているということなのである。
建築デザイン学生に送る良書 ★★★★★
目次からわかるように、アンビルドアーキテクトの作品を主に取り扱っています。

磯崎新が、この本が発行された1975年にこれだけの世界の建築家の状況と動向を把握して、ポストモダニズムの到来を見ているところが本当に驚いた。

この本の良いところは、当時の新鋭建築家の作品・研究・論文・著書の特徴を取り上げて居るところにある、また分野別に分けどんな風に発展させたかなど良い取り上げ方をしている。
発行からすれば確かに古い、しかし書いている内容は古いどころか第一線の建築教育などで活躍する人たちが多い。

そう言った意味で、非常に使えるしこの一冊で10冊の以上の本を大まかではあるけど、理解が出来るので良書です。