インターネットデパート - 取扱い商品数1000万点以上の通販サイト。送料無料商品も多数あります。

財政再建は先送りできない

価格: ¥1,680
カテゴリ: 単行本
ブランド: 岩波書店
Amazon.co.jpで確認
単純な緊縮財政論でも増税論でも財政出動論でもない ★★★★★
井堀教授の主張は特に公共事業においてユニークである。公共事業が全く経済成長に結びつかなくても、景気変動による個人所得の変動を小さくすれば国民の厚生が大きくなる。つまり、福祉政策としての公共事業論なのである。福祉として公共事業を捉えなおせば、景気が回復するまで無制限に財政出動をする必要もなくなり、かえって公共事業は少なくて済むという。では福祉ではだめなのかといえば、井堀教授は別の本で「寝ている人に金を払うだけの福祉よりも、労働と引き換えに金を払う公共事業の方が社会には有益」と論じている★単純な減税景気刺激論への反論は教科書的だが全く正しい。減税の景気刺激効果は公共事業よりもさらに小さく限定的である★ラディカルな地方分権論もある。地方に税源を移譲するのみならず、自治体財政が破綻した場合にも救済しないことにすれば、住民の政治意識を高めることができる。地方にのみ便益をもたらす公共事業は地方財政で賄うのであれば、無駄な公共事業には住民からストップがかかるだろう。
警世の書 ★★★★☆
  題名の通り、財政構造改革を先送りすればするほど、コストが高くなって、「国民」に対するツケが大きくなるとする警世の書である。

  構造改革と云うと大げさになってくるが、結構きつい提言をしているものの、著者のように、比較的余裕を持って段階的に、医療費改革、公的年金制度の報酬比例部分を段階的に民営化するための具体的な移行案、地方交付税制度を発展的に解消して包括的で効率的な地方財政の財源調整制度に移行する案等の財政改革を提示されると、案外、やれるのではないかと云う気になるのが不思議である。

  いま流行の「インフレターゲット論」については、さらりと触れた程度であるが、著者の提言する消費税の毎年1%のアップ提案(13%まで)は、巷の金融ジャブジャブ緩和論よりも、インフレターゲット促進策として、案外現実的で面白いのではないかと思った。

  財政再建の本筋は、財政制度の構造改革と量的な赤字削減の二つを同時に遂行すること、正に然り。「煮え蛙」のように少しずつ墓穴を掘っている日本経済と財政の現状を知らずに、国民は太平天国。もう、待っていられない、そんな思いで書かれた、全編、示唆に富んだ提言が続く良書である。

自分の意見をもって、新聞の政治面を読みたい人に ★★★☆☆
財政再建、公共事業、税制というとなにか難しく、不透明な感じがします。
この本にしても、その背景についてわかりやすく説明しているわけではなく、読んでいて難しいところもありました。しかし、評価すべきなのは、各政策をとることで、どのような状況に私達がおかれるのかというシミュレーションを
「わかりやすく」「簡潔」に示してくれる点です。

例えば、公的年金についてもっとよく知っておきたい。そして、選挙の時にだえ理想的なことをいう議員の言葉を自分で審議したい、と考える方には、よい指針となると思います。