アシスタントの現場を覗き見
★★★★★
マンガ家アシスタントの日々の現場を描いたエッセイ風コミックです。
最初はズブの素人だったらしい作者のイカ。
(なぜイカなのかはついに説明されませんでしたが……(笑))
そのイカさんが一般人目線で、
仕事場におけるネタになりそうなエピソードを集めて紹介しているスタイルが読みやすくて良いです。
毎回テーマが決められており、それに沿って仕事場でおきた珍事件や苦労話が語られていくのですが、そのテーマが面白い。
現場の殺人的な忙しさだったり、締め切り前の修羅場などの話は、他の多くのマンガ家さんも語られていることですが、
この作品では「定規」や「ペン」や「スクリーントーン」をテーマにして一話描いているのです(もちろんちゃんとお話になっている)。
仕事道具や現場に対する細かいディティールは、まさにアシスタントという仕事を覗き見しているようで、おもしろいです。
素人アシスタントという立場が上手く生かされていると感じました。
細かいことを描いているわりにとっつきやすく、マンガの現場などに全く縁のない私でも充分に楽しめました。ギャグ風に描かれているので、すいすい読めます。
アシスタントがどういう仕事なのか興味がある人や、実際にアシスタントになってみたいなという人なら、さらに楽しめるはずです。
テンポ良くサクサク読める
★★★★★
マンガ家アシスタントをまさか、スポーツの一種?とか音楽家?と
思うような人はいないとは思うのですが、どんな仕事かをゆる〜く
苦労話を交えて描いてある1冊です。
プロアマ問わず、マンガ家さんやアシスタント経験のある方なら
「あるある」と思うネタ満載ですが、話の見せ方が実にユーモラスで
起承転結きっちりしており飽きさせません。
また、簡単ですが、マンガの描き方やその他の知識についても少し
記載があるので、これからアシスタント経験を積んでみたいという
人にも初歩的なテキストとしていいかも知れませんね。
ボケツッコミもノリが良くて面白かったです。
定規に関する話での「BAKA!」はツボでした。
アシスタントは有能な方がいいに越したことはないのですが、
現場のテンションを高めて仕事を進めやすくする潤滑油のような
アシスタントもいいかも知れませんね。
…有能かつ潤滑油になれるアシスタントさんならなおいいとは思いますが。