江戸時代ビジネスの到達点を・・・
★★★★★
江戸経済・経営史の権威、宮本又郎関西大学大学院教授と
粕谷誠東京大学大学院教授の編著による、
『講座・日本経営史』の第一巻。
本書では、江戸時代と明治維新以降の経済発展との関係を
完全な「断絶」あるいは「連続」として捉えず、
特に「制度」を切り口として、江戸時代ビジネスの到達点を
実証的に明らかにしようとしている。
とはいえ最近の研究の成果から、本書では、
連続説に重きを置いて執筆されている稿が多い。
個人的には江戸市場経済を中心として
特に商家の労働管理・マーケティングなど
目新しい研究が興味を惹いた。
また本書には関説として「外国の会社制度」や
「外国の金融経営史」にもページが割かれており
グローバルな比較経営史にも触れている点は新しい。