ウェーブレット変換を理解したいけど、詳細な専門書では取っ掛かりに食い人を対象とした本です。数式は一切でず、歴史とその補足が書いてあります。
　今すぐ、ウェーブレット変換を使いたい人にはオススメできませんが、どうやってウェーブレット変換に関する概念が出てきたのかを知るには、物語としてとても面白く読みやすい本でした。
　難しい数式ばかりのウェーブレットの専門書を読む前に、一度こちらでウェーブレットに想いを馳せると、より身近にウェーブレットを感じれるようになると思います。

タイトルには「入門」とありますが、実際はサブタイトルの通り、歴史を中心に書いてある本です。原題は「波とウェーブレット」です。前半はフーリエ解析、中盤はウェーブレットの概念を書いてあります。概念のみで数学的な記述は少ないです。後半は数学的な記述や用語の詳しい説明はほとんど無く、各分野の状況がさらっと書いてあります。関連分野まで勉強済みの人が読み物として読む本だと思います。これからウェーブレットを使おうという人には不適当でしょう。