宝石の神秘
★★★★☆
アジア方面から運ばれてくる神秘的な美しい石―本書は、宝石に関する通史というよりも、
ヨーロッパの視点からみた宝石観や、石の捉えられ方などが書かれている。
南アの鉱山なども開発されていなかった時代、宝石は専らインドなど、わずかな国々でしかとれない貴重品で、
産地国がアジア、しかも数少ないとあれば、貴重なだけでなく、東洋の神秘でもあった。
どの石に価値を置くかも、時代や国によってさまざまであったことがわかる。
後半では、有名な石(多くは巨大なものだ)を紹介するとともに、近代以降のダイヤモンド熱について詳しく述べる。
南アフリカに、ゴールドラッシュよろしく人々が殺到し、巨大ダイヤモンドが採掘され、
「ダイヤモンドは永遠の輝き」のコピーで売る―今に続くダイヤの君臨の源泉をたどることができる。
古代から現代に至る原石、アクセサリー、王冠などの豊富な絵・写真つき。