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サイモン・アークの事件簿〈1〉 (創元推理文庫)

価格: ¥1,029
カテゴリ: 文庫
ブランド: 東京創元社
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オカルト+ミステリの異色短編集 ★★★★☆
年齢二千歳とも言われる、オカルト探偵サイモン・アーク。
その活躍を綴ったこの短編集、
第1作の「死者の村」は、短編ミステリの名手、
エドワード・D・ホックのデビュー作でもあります。
ミステリの本道である謎解きの要素はしっかり押さえながら、
オカルト的要素を散りばめた異色の短編集であり、
怪異を題材にした魅力的な謎に思わず引き込まれてしまう作品揃いです。

以下、収録作品の短めの紹介文です。

【死者の村】
73人が崖から飛び降りるという大量自殺事件の発生した村。
サイモン・アーク最初の事件。
【地獄の代理人】
17世紀の発禁本「悪魔崇拝」の最後の1冊のありかを知る男性が殺された…。
【魔術師の日】
エジプトの砂漠に終戦の年に墜落した飛行機を捜すサイモン達。
折も折、カイロ市内で魔術師の殺人事件が発生する。
【霧の中の埋葬】
悪魔と呼ばれる男、ロルフ・ダゴンは、
ジャワ島で黄金探しの旅の途中、
連れの女性リー・チャウを手も触れずに窒息死させてしまう…。
【狼男を撃った男】
知事候補のモルツは、サイモンに事件解決を依頼。
庭に狼が入ってきたので、銃で撃ち殺したところ、
死んでいたのは人間だったというのだ。
【悪魔撲滅教団】
ワトソン役の「わたし」の会社が、
悪魔撲滅を目指す団体から脅迫される。
やがて、ある事件が発生し…。
【妖精コリヤダ】
ロシア移民の教授たちの自宅に現れる妖精コリヤダ。
彼女に触れられた教授の一人が凍死してしまう。
【傷痕同盟】
イスタンブールの美術館で、
絵画の切り裂き事件が連続して発生。
背後で暗躍する傷痕同盟とは何か。
【奇蹟の教祖】
新興宗教の教祖ラスクは、
信者のケリーがいなくなることを予言。
果たして彼女は運転する車ごと洗車場から消失してしまう。
【キルトを縫わないキルター】
社交クラブ、キルターズの集まりにサイモンを招いた際、
死神の仮装を行ったメンバーの一人が、
帰宅の際、車ごと丘の下に転落死した…。
怪奇小説とミステリーの融合という困難な命題に挑んだ巨匠入魂の傑作短編選集です。 ★★★★☆
2008年1月に惜しくも78歳で逝去されたアメリカ本格短編ミステリーの巨匠ホックの日本では初となるオカルト探偵サイモン・アーク物の傑作短編選集第1弾です。まず、この怪奇小説とミステリーの融合というジャンルは、過去に発表されてきた他の作品を読んだ経験上非常に難しさがあるなと感じておりまして、いわば水と油のようにどうしても互いに反発し合って相交わらない物だと考えています。非科学的な怪奇色を強めるとミステリーの部分が弱くなりますし、その逆もやはり特異性が薄れて不満を感じさせてしまうという真に作家泣かせのテーマなのではないかと思います。本書収録の本邦初訳2編を含む10編は延べ54年間も続いたシリーズ中の秀作が年代順に並べて掲載されていますので作風の変化や傾向を掴むのに適していると思います。私の感想としてはデビュー作の「死者の村」は非常に怪奇性の強い作品でしたが、反面推理のトリックとしては素直で呆気なく著者の奇抜さという優れた部分が殺されているように感じられ初めに読んだ当時も残念に思いました。結論を先に申しますと、本書を読み進める内に著者が怪奇小説の色合いを徐々に薄めて行き後年は得意の本格ミステリーの領域に完全に移行した事に気づきました。本質的にはミステリー作家であった著者が、怪奇小説が向かう道である謎を残したままにする事に躊躇した気持ちが私には完全に理解出来ます。この流れは自称2000歳の怪奇を愛するオカルト探偵アークにとっては残念至極で不幸な事ですが、私は逆にすっきりして良かったと思います。これは冒頭の問題に対する本来の答にはなっていませんが、私は著者の資質が活かされるのが最も大切な事だと考えて正解としたいです。私のベスト3は『妖精コリヤダ』『奇蹟の教祖』『霧の中の埋葬』です。著者の職人芸が冴えるシリーズの残された珠玉の51編も今後可能な限り紹介して頂きたいと思います。
悪魔と不思議 ★★★★☆
エドワード・D.ホックは、多数のシリーズ・キャラクターを創出した作家として知られる。そのなかでも、オカルト探偵サイモン・アークは著者がもっとも愛着を持っていたことで知られる。なにしろ、著者のデビュー作が本書収録の「死者の村」(1955年)で、亡くなった2008年まで61篇が書き継がれているのだ。
 本書には、「死者の村」「地獄の代理人」「魔術師の日」「霧の中の埋葬」「狼男を撃った男」「悪魔撲滅教団」「妖精コリヤダ」「傷跡同盟」「奇跡の教祖」「キルトを縫わないキルター」の10篇が収められている。先に出ている『サム・ホーソーンの事件簿』とは異なって、年代順ではない。デビュー時から2000年代まで、ぽつぽつと作品が採られている。
 多くはハヤカワ・ミステリ・マガジンや『ホックと13人の仲間たち』などに訳出されたものの再録。ただし、改訳されているものも少なくない。
 オカルト探偵ということで、悪魔や奇術、不思議に関わるミステリが多い。それに合理的な解決が付いたり、謎が残ったり。とても魅力的だ。
 ただ、ホックの短篇にはありがちなのだが、いまいち完成度の高くないものが多い。光る部分はあるのだが、あちこち傷があるというか。また、後期のものでは怪奇色が薄れているのも残念。
 とはいえ、楽しい読み物であることは間違いない。ぜひ、続巻も出して欲しいものだ。
待ってましたオカルト探偵サイモン・アーク!!! ★★★★★
随分と長い間、サイモン・アークの登場を待っていた。
その存在を知ってから、十年以上になる。
まさに待望の作品集なのだ。
オカルトに関連する魅力的な謎が次々に提示され、
一体どうなっているのだろうと、考えさせられて、
どんどんと物語に引き込まれる。
そして、最後にアークが切れ味の鋭い刃物のように、
事件を解決すると、なるほどそう言うことか、と思わされる。
まさに本格推理! 長い間、待っていてよかった。