アニメ本編OP第2弾である本作発売直前に知ったことであるが、
本アーティストRayflowerのｷｰﾎﾞｰﾄﾞ担当で楽曲ｺﾝﾎﾟｰｻﾞｰでもある
都啓一氏は現SOPHIAメンバーであった。その他のメンバーも粒揃いの
本格ｱｰﾃｨｽﾄ集団。通りで前作があれだけのｸｵﾘﾃｨを要していたはずである。

対する本作は同様に『裏切りは僕の名前を知っている』2クールからの新OP
でもあるが、さすがに前作ほどのｲﾝﾊﾟｸﾄのある印象的なｴｯｼﾞやｷｬｯﾁｰさは
薄れているにせよ、作品テーマや雰囲気を巧みに醸し出している。どことなく
儚げなｳﾞｫｰｶﾙで始まる冒頭展開がサビに向けて次第に激しさを増していく。
田澤孝介の歌声の端正なカッコよさ、そしてﾛｯｸﾃｲｽﾄ楽曲の劇的さが永久（とこしえ）
の「イニシエの愛」というｷｰﾜｰﾄﾞを軸に小気味よく展開し、やはり隙がない。

同作ED曲c/w「絆」は打って変わって遊び心の溢れたﾀﾞﾝｻﾌﾞﾙな一曲。
一見男女間の恋愛駆け引きを、親しみや馴れ合いの内に存在し、
その底辺に満ちる「二人ということの奇跡」に焦点を絞って噛み締める
ような歌詞が本編ﾂｳﾞｧｲﾙﾄのｷｬﾗたちにも被っているようで面白みがある。
ここまでの楽曲の作詞は、すべて都の妻でもある、あの久宝瑠璃子が
担当しているのだが、このED曲「絆」のみは田澤本人による歌詞。

Rayflower自体が本編アニメのために結成されたバンドということだが、
それにしても、楽曲的にもｱｰﾃｨｽﾄ的にも非常に恵まれた作品だと思う。
そしてRayflower自身も、これで終わって欲しくない秀逸さに溢れ、
既に次へ繋がる次回作の存在があることが何気に嬉しくもある。