ドライバの全体像が見えるまで、300ページ以上は読む必要がある。
忍耐強く詳細を追い続けることで全体像を把握することに慣れている
人以外は、まずWDMの入門書を読むことをおすすめする。
WDMの基礎的な知識を身に付けた上でこの本を読みはじめると
個々のトピックは実に整理されており、内容も他の入門書に見られる
おまじない的な説明ではなく、動作の背景など、できるかぎりの
説明がされているのがわかる。
WDM開発には必携の書であると思われるが、先にも書いたように、
最初に読む本ではないであろう。
Windowsのドライバを書く人には必須の一冊と言えるでしょう。
700ページ近くある分厚い本ですが、文体もやわらかく、そこかしこにジョークもちりばめられており、興味を失うことなく最後まで一気に読めました。
Win9xからWinXPにいたるまでのデバイスドライバモデルの違いや、マルチプロセッサシステムでのOSやデバイスドライバの挙動、デバイスの電力制御やPnPなどなど、幅広い領域をカバーしています。
サンプルコードも豊富で、すぐに役立つ本、と言えると思います。
ちょっと脱線するかも知れませんが...
デバイスドライバ開発には、OS Kernelに対する深い知識が必須です。
また、OS Kernelというのは、ソフトウェア芸術のひとつです。
絵画や音楽同様に、鑑賞する側がきっちり勉強してから向かい合えば、心をゆさぶったり、人生を豊かにしてくれるもののひとつだと思っています。
(Windowsが芸術と呼べるかどうかはまた別の機会に)
ただ、私を含めた普通の人は、Windows Kernelのソースコードに触れたりできませんし、読んでもそう簡単には理解できません。
それを本書籍は、よくできた旅行ガイド、あるいは「旅行グルメ番組」のように、Kernelの周辺知識や、デバイスドライバ作成に関する「おいしいところ」を伝えてくれます。
この本は、デバイスドライバを書く人だけでなく、ソフトウェアエンジニアとして生きて行こうと思っている若い人にもお勧めしたいです。
若いエンジニアには、こうした「プラットフォーム」に近いところを楽しく勉強できる書籍に触れていただきたいと思います。
ところで、レビューのタイトルに書いた文字列は、SMPマシンでWindowsを使っている方はしょっちゅう見るメッセージだと思いますが、この本を読むと、「あぁ、なるほどな」と、よく理解できることでしょう。
青い画面に悩まされているかは、この本を読むと、少し気持ちがすっきりするかも?!