内容には,連続データだけではなく,社会調査で多く用いる離散型データの関連性や相関分析も含まれていて長く使える一冊です。この本を経て,Computer-Aided Multivariate Analysis (Chapman & Hall Texts in Statistical Science Series)A. A. Afifi (著), Virginia Clark (著)などで学ぶと,主成分,因子分析やロジスティック回帰等の応用的な分析へとスムーズに進めるのではないでしょうか。
なお,SPSSの古いバージョンを使った例もおまけでついていて一見古いイメージを持たれるかもしれませんが,そもそも本書がソフトの使い方を学ぶものではないので,支障はありませんでした。
いろいろと知識はある、しかしその使い方を知らない。そんな新社会人への評価を地でいくような私は、エクセルの関数ヘルプにある無味乾燥な説明の前で、わかりやすく、詳しく、何より実践的に教えてくれる人と本を探していました。
この本は、そんな期待を裏切りませんでした。過剰に分厚いその容貌は、学生時代には権威的な教師そのものに移ったかもしれませんが、いまでは頼もしさを感じます。
決して易しいとは思いません。しかし、理解できます。いままでわからなかった事が理解できたとき、やればできるじゃないかと励まされた気がします。