sshを使う全ての人へ
★★★★☆
sshを使う全ての人にとって現在入手できる最良の書籍と言えるでしょう。
今後更なる進化を期待して星4つにしておきます。
本書にはsshの3つの側面について扱った本であろう。
1,OpenSSHやTectia(最初にsshを開発した人の会社のssh実装)の機能を網羅的にカバーしたリファレンス。
2,実際にssh2プロトコルおよび代表的な実装がどのような動作をしているのかを把握するための資料。
3,私達がsshを利用する際に気を付けるべき所や便利な使い方を記載したTips集。
まず読み方としてだが、700ページほどもある書籍なので全部通して読むのには適していない、試しに全部
通しで読んでみたところ時間がかかりすぎて最初のほうの章の記述が思い出せなくなったくらいだ。
「はじめに」の中での読み方などを参考に各自読み進めて行っても、目次や索引を利用して興味ある所を
おもむろに開いて読んでいってもよい、どこから読み始めても文中の記述に関連する本書中の章などを
適切に記載してあるので、適宜あっちこっちの章をいったりきたりできる。
頭の片隅にでも置きながら読んだほうがよさそうなのは、OpenSSH及びTectiaの両方の機能を平行して
網羅的に扱っているため、両方の実装にあるものなのか、片方の実装にしかない機能なのかが混乱するかもしれない、
そんな時には巻末の付録にどちらの実装にどの機能があるのか一目で判る表があるので適宜確認するとよいでしょう。
数少ない残念だった点はperl,python,rubyなどのsshモジュールの使った使い方などに触れられていないのことと、
原書出版時から翻訳版出版時までで期間が空いているため若干情報が古くなっている所が目についてしまった。