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教育改革と新自由主義 (寺子屋新書)

価格: ¥840
カテゴリ: 新書
ブランド: 子どもの未来社
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教職を目指す人たちへ ★★★★★
少々古い本ではあるが、これから先教職を目指す人に読んでもらいたい本。
様々な考え方はあるが、教育に関心を寄せるならば、この本は読み応えのある内容に違いない。
高校生以下には多少読みにくい文章であるが、大学生レベルならば問題ないだろう。個々の考えを深めさせてくれるオススメ本のひとつ。
瓦解する日本の教育! ★★★★★
「できん者はできんままでけっこう。…限りなくできない非才、無才には、せめて実直な精神だけを養っておいてもらえばいいんです」。これが、日本の教育改革を担う人の口から発せられた言葉であるとすれば、返す言葉もない。なるほど、効率性の面だけからいえば、こうした「社会的ダーヴィニズム」的な発想が出てくるのも分からないではない。けれども、このような発言は、教育のあり方云々を超えて、人間として許せるものではない。これほど、人をバカにした、傲慢な発言が、あってよいのだろうか。「実直な精神」とは一体、何のことか。戦後の教育にも見直すべき点があることは事実だろうが、このような、人を人と思わないような思想では、教育改革などできるはずもなく、教育崩壊を招くだけではないだろうか。
左翼小児病 ★☆☆☆☆
私が詳細に批判したのに(「考える人」3号)、それに応答することもなく同じようなことを書いている。ゆとり教育が階層社会を作るための陰謀だというのは、妄想。仮に妄想でないとしても、東大生における学力低下を私はこの目で見ているのだよ。あるいは、機会が平等になれば、遺伝および環境素因、即ちどの父母から生れ育つかが重要になるのであって、共産主義が一時夢見た子供の集団育成しかあるまい。しかも遺伝素因は残るから、機会を均等にせよという主張はむしろ劣悪な遺伝子を残すなという主張につながる。右ー左のどちらかに思想を二分し、エリート教育と東郷平八郎を同列に論じるあたりは香山リカの「ぷちナショナリズム」並みの粗雑さである。斎藤よ、いま大学がどんな惨憺たる状況になっているか、私のところへ取材に来てくれ。
小谷野敦
公教育の市場原理化 ★★★★★
学力低下 → 経済停滞 → 社会荒廃、アメリカにおける「ゆとり教育」の惨状である。
社会を荒廃させてまで、実現させてきた仕組みとは???

寺脇研をはじめとする官僚の見事な造語「ゆとり教育」の真意を、著者は射抜いて外さない。
人間の差別化を当然視、社会格差拡大を志向したエリート教育・・・
階級社会を下支えしてきた英国パブリックスクール流:人間の早期選別、つまるところ、世襲社会の恒久化である。

資力の裏づけある「持てる者」は、何の心配もなく選択の自由を謳歌できる一方、
「持てない者」にとっては、不安だらけという企業の論理 ― 市場原理 ― が、内面の自由、機会均等を保障してきた公教育を変質させ、
「勝ち組」「負け組」の意識を子供に植え付け始めてしまった・・・
庶民同士が、足を引っ張り合う「勝ち組」「負け組」思想の植え付けが、
専門教育ではなく、初歩の公教育に蔓延していく様には、まことに見事?な洗脳ぶりという他ない・・・

財政赤字削減の掛け声の下、社会的弱者の底上げを、日の丸・君が代との一体感に変容させ、徴兵制へと収斂させつつある官僚は、一方で、
特殊法人、天下りシステムは温存し続けてゆく。「悔しかったら頑張りなさい」とは、サッチャー元英首相の言葉である。
公立に入れた時点で「敗北」となる雰囲気が広まっている現状を煙に巻き、世襲社会という理不尽な仕組みをはぐらかしてきた誤魔化しの台詞である。

「本日天気晴朗なれど、波高し。皇国の興廃この一戦にあり」
この東郷平八郎もどきの台詞は、2004年2月16日護衛艦「むらさめ」のイラク出航に際し、玉沢徳一郎防衛庁長官が述べたものである。
お金のない庶民を、兵役に就かせる仕組みは、古代ギリシャにおける奴隷制度そのものである。

自分の頭で考える力を身につけさせず、体制に従わせる世襲社会・・・「ゆとり教育」とは、エライ人のための教育改革なのだと痛感させてくれた稀有の著である。