リマスタリング反対派からの賛辞(その8)
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「天狗裁き」「抜け雀」「たいこ腹」の作品としてのレビューは、すでに随所で書かせていただいたので、私は、もう繰り返しません。ただ、「抜け雀」は、第5巻とダブっていて、いただけませんが。
もう一つ、特に音楽の分野においては、演奏者が存命して自ら手がけない限り、リマスタリングは、コンピュータによる改編であって、許されない・・・というのも、私の基本的姿勢です。このことは、音楽のレビューでは賛否両論で私はずいぶんと叩かれていますが。しかし、演奏者の了解を得ないで、コンピュータで音やハーモニーのバランスを変えることは、後世の人間による原作者への冒涜だと思いませんか?
しかし・・・昭和30年代の録音状況の極めて悪い中で記録された落語のテープを雑音を排除し、聞き取りにくい部分を聞き取りタスクすることは、決して演者の意図に反するものではないと信じます。
少なくとも、われらが古今亭志ん生師匠ですよ、「リマスタリングうう?魔術でも使うのかい?魔術でも何でも、あたしの声がよく聞こえるなら、あたしゃぁ、文句を言うもんかね。ご苦労さんなこった」で許してくれるでしょう。