なぜ十津川温泉なのかというと、“サッカーの神様”(ペレじゃなくて)熊野神社があるからで、本作のテーマはワールドカップです。日本代表のマークに描かれているのは三本足の鳥・八咫烏(やたがらす)で、日本神話上の鳥だとは、知りませんでした。しかもシンボル化されるようになったのはサッカーが輸入された大正時代というから凄い。勉強になりました。
本編のほうは、日韓共催のワールドカップの時期に、切断された足首が三本発見される、というものですが、三本めの足首が出てくる理由には関してはあまりにも意味がない気がしました。
本作で面白いのは吉村達也作品史上初(?)の「読者への挑戦状」が入っていること。それも犯人当てではなく、「ワールドカップと作品の関係は?」というあたりが面白い。結果的にはいつも通りの絡みでしたが…。逆に吉村ファンなら大方適中するのではないでしょうか。