私は個人的につる姫という人にとても興味があって、大人になってから、この作品を読んだのですが・・良いです。素晴らしく感動しました。児童文学と侮るのは大間違い。これは立派な歴史文学です。大人が読んでも十分に楽しめると思います。つる姫の純粋さ、気高い美しさと強さ、そして明成との絆に深く心を打たれ、ラストシーンは本当に哀しくて胸が詰まる思いでした。
つる姫は紛れも無い実在の人物だったそうで、たちまち私の日本史上、最高のヒロインとなってしまいました。
子どもだけでなく、是非、大人にもおすすめしたい、近年まれに見る上質の一冊です。

小学校だったか中学校だったか定かではありませんが、学校の図書室にあり、たまたま読みました。感動して涙がいっぱい出ました。しばらく時間を置き、再度読んだ時も感動は薄れることなく、やはり涙してしまいました。

大人になりふと「つる姫」のことを思い出し本を探しましたが見つかりませんでした。そうして、２０年以上の歳月を経て、復刻されたこの本を手にした感激は言葉になりません。内容もすばらしい。人生経験を積んだ大人にこそ読んで欲しいと思います。美しい日本語で、美しい景色が描かれ、美しい主人公たちの悲しい物語。もう今の日本では望んでも手に入らないものがそこにあります。

子どもに媚びた安易な作品が多い日本の児童文学の中で、これは、異彩を放っている作品だ。瀬戸内の小さな島で水軍を率いる、うら若い乙女を主人公とし、歴史と土地の伝承に丹念に取材し、活き活きとした人物像をつくりあげている。