夫婦愛には泣けます。
★★★☆☆
導入部から、すこし安っぽい感じがあったのですが、
全体的に軽いというか、
印象に残らない作品でした。
多分作者の方は後半でビックリさせたかったのだと思うんですが、
その伏線が分かりやすいし、わざとらしく感じてしまいました。
司法制度に疎い私でも、この裁判の展開はどうなの??と思ったし、
2時間ドラマ(←シリーズ物限定)の視聴者であれば、
面白く見たかな、と言う程度です。
名だたる先生方がこの作品を推している意味が、よく分かりませんでした。
ただ、子を失った親の心情は理解出来るし、
夫婦の結びつきも素敵だと思いました。
二人で旅をするシーンでは、ジーンときました。
その点を加味して☆3つとしました。
最後まで楽しめました
★★★☆☆
子どもを突然奪われた夫婦の慟哭は同じ子を持つ親として非常に共感を持ちましたし
どのような結末を迎えるのか最後までハラハラしながらページを捲りました。
平易な文章で書かれているので読み進むのも容易く
娯楽作品としては非常に優れたものと思います。
ただ本編の設定に色々とアラが見受けられます。
何より被害者・加害者共に過去に関わっている事件について
不起訴案件だったとはいえ検察がまったくつかんでいない事。
これはいくらなんでもありえないでしょう。
また作者が意図してミスリードを誘おうとしている描写についても
初っ端から違和感があり引っかかりようもありませんでした。
失敗したミスリードを延々引っ張られると読み手は少々イライラします。
恐らく作者も練りに練っての設定だったと思うのですが
あまり効果的に使われておらず残念だったと思います。
私は楽しかったです
★★★★☆
賛否両論ある作品ですが、私はとても楽しく一気に読みました。
こちらの思い込みで読みすすめ途中であ〜そうくるか〜ということがたびたび。
子供を持つ親の気持ち、夫婦愛、犯罪について、いろいろ考えさせられた1冊でした
いくらなんでも無理
★★☆☆☆
見事に票が割れてますが・・・
私も高い評価を与えることはできませんでした。
何より設定があり得ないと思います。
公安委員会(またはその構成員としての公安委員長)は警察の身内であるとはいえ、所詮外部組織であり、その重大犯罪を警察から進んでもみ消すなんてことは常識では考えられません。(警察にとっては何のメリットもないばかりでなく、発覚したらそれこそ大スキャンダルになるようなネタですから・・・)
だいたい、これだけ社会的にも影響が大きいであろう犯罪行為を、ノンキャリ警察官(警部補とありますのでキャリアではないはず)の一存で警察組織を動かし、隠ぺいするなんてことができようはずはありません。
さりとて、こういう無理な設定がないと小説自体が成立しないわけで、そういうところにあざとさを感じずにはいられません。
裁判シーンや、謎の提示の仕方等については緊張感のあるうまい語り口で読むほうとしても高い評価を与えていいと思うのですが、最初からこれでは・・・という感じで最後まですっきりしない作品と感じられました。
著者はちゃんと刑事訴訟法を勉強すべき
★☆☆☆☆
物語は裁判員裁判であり公判前整理手続に付されていたことが明示されているが、著者がこの制度について殆ど勉強していないことは、知ってる者からすればすぐに分かってしまう。
証人尋問のルールも分かっていないらしく、著者は刑事裁判を傍聴すらしたことがないのではと疑ってしまう。
やり手とされる女性検事の尋問は、明らかにルール無視であり、小説の緊張感は台無しである(ほんとにずっこけます)。
最後の判決の主文も体裁が間違っている(よくあるミスではあるけど、こういうところが間違っているとがっかりしてしまう)。
「こんな女なら殺されてもいい」という横山秀夫の帯は、彼の凋落を物語るのか、それともヤケクソなのか定かではないが、後者であることを願いたい。